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スキルアップ&キャリアップ
生涯学習スクールガイド
- 2016年10月1日
- 2016年10月号掲載
スキルや専門知識を身につけて、自分の人生の新たなフェイズに進みたい。そう願う読者に向けてお贈りするスクールガイド。U.S.FrontLine編集部がセレクトした6つのスクールに直撃取材を敢行。今からだって遅くない、興味のある分野、磨きたいと思う技能にターゲットを定めて行動を起こそう。
翻訳に携わる
- 履修科目: 翻訳(大学院プログラム、科目単位履修)
- スクール:Babel University,Professional School of Translation
- 拠点:東京、大阪、ハワイ
- オンラインプログラム:有
- 詳細:http://www.babel.edu
英語が得意な日本語ネイティブであれば「翻訳の仕事に就きたい」と思ったことがある人も少なくないだろう。しかし、自力で翻訳の仕事を始めるのは、実力の点はさておき、どのように最初の顧客を獲得するかという問題もある。オンラインで世界中の学生に大学院資格を授与しているバベル翻訳専門職大学院の修了生であり、現在はリーガル翻訳者として仕事をする一方、ハワイオフィスのマネージャーを務める中川有子さんは次のように語る。
「2008年、当時からハワイに在住していた私は地元の新聞で知ったバベルのセミナーに参加しました。それまでも翻訳の仕事に興味はあったのですが、どうすればプロフェッショナルになれるのか、そのきっかけがつかめませんでした。セミナーで話を聞いて、バベルで学べばマスターディグリーを取得できると知り、4つある専攻のうちの法律(他に文芸、金融・IR、特許・技術・医薬の専攻がある)を選び、入学することにしました」
中川さんは入学後も、オンラインスクールのメリットを生かして、しばらくはリテールの仕事を続けながら学んだ。大学院修了後は翻訳の修士号を手にしたことで、紹介でフリーランスの翻訳の仕事が舞い込むようになった。さらにバベルに勧められて受験した一般社団法人日本翻訳協会の翻訳検定のプロレベルにも合格したことで、マスターと翻訳検定という二つの武器を獲得した。
話を翻訳専門職大学院に戻そう。同院に入学するためには筆記試験とオンラインでの面接試験が課される。「日本の大学を卒業しているか、日本国外で16年の学校教育を修了していること、または本校が資格を有すると認めた場合に出願することができます。本校の大学院としてのレベルについていけるかどうかという潜在的な能力をはかるために、このような出願資格や試験を設けています。私自身も実感したことですが、確かに卒業するまでは大変です。入学した途端に翻訳の課題が出ます。もちろん教師が添削してくれますが、次々と課題を与えられます。しかし、それによって膨大な知識を習得することができましたし、翻訳業界の仕組みも解説してもらえるので非常に心強く感じました」
実力がついた結果として、中川さんは今もバベルで働きながら、フリーランスの翻訳の仕事が途絶えることがない。ちなみに学生には1対1でカウンセラーがつくため、カリキュラムや進路の悩みなどの相談にも応じてくれるそうだ。では、次にどのような人が翻訳者に向いているか聞いた。
「細かいことにこだわれる人ですね。そして作業に黙々と最後まで取り組める人。ずっと一人で文章を相手にする仕事なので孤独との戦いでもあります。職人のような気質が求められます」
また、米国労働局が発表した調査では、2020年までは翻訳と通訳のビジネスが高い成長率を維持していくと予測されているとか。最後に中川さんは次のようなメッセージをくれた。「グローバル化が加速している現在、日本の地方の中小企業であっても、海外の企業と取引をする時代です。そのための契約書やマニュアルなど翻訳のニーズは増加する一方です。興味のある方は、翻訳のプロになるべく挑戦する価値は大いにあると思います」
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