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スキルアップ&キャリアップ
生涯学習スクールガイド
- 2016年10月1日
- 2016年10月号掲載
美容業界で働く
- 履修科目:美容ライセンス、エステ、ネイル、メイクアップ、理容ライセンス
- スクール:KC Beauty Academy
- 拠点:ロサンゼルス
- 詳細:http://www.kcbeautyacademy.jp
8月某日、リトルトーキョーにあるKCビューティーアカデミーのワークショップを見学に行った。10人ほどの生徒を前に、ジョークを交えながら、エクステンションのつけ方を実地で指導していたのが同アカデミーのオーナーでディレクターのユーコ・T・コーチ(日本名:徳永優子)さん。日本では美容師としての活躍を早くから認められていた優子さんだが、2001年に渡米。その後すぐに、アメリカに舞台を移してキャリアを再スタートさせた。サロンを経営しながら国内外から集まる生徒を指導し、さらにハリウッドの撮影現場でもヘアスタイリストとして働いた。渡辺謙も出演した「メモワール・オブ・ゲイシャ(邦題:さゆり)」、「パイレーツ・オブ・カリビアン」、「ドリームガールズ」、そしてマイケル・ジャクソンの遺作となった「ディス・イズ・イット」などの有名作品に携わってきた。さらに現在は、人気テレビ番組であるNBCの「アメリカズ・ガット・タレント」やフォックスの「ソーユーシンク・ユーキャン・ダンス」も担当している。
カリフォルニア州認定校である同校では、全くの未経験者でも、1600時間の実習を含むプログラムを履修し試験に合格すれば、美容ライセンスが取得できる。ローカルの生徒たちには、在籍中に就職先も積極的に斡旋している。「卒業後は、活躍の第一歩として、日本的なサービスを受けられるサロンとして5スターの高評価を保持し続けている、パサデナの直営サロン、KC Stylist Studioで働いてもらうこともあります」と優子さん。
さらに、ハリウッドで活躍する一流のヘアスタイリストから学べる場とあって、たとえ美容ライセンス取得目的でなくても、1週間程度の短期間でも生徒は高度なテクニックを学びにやってくるそうだ。 日本人は日本語で履修できるメリットがある一方で、アメリカ人の生徒も多い。
「アメリカ人の生徒さんには、逆に教えられることが多いですね。30歳過ぎて、銀行など他の仕事でちゃんとやってきた人がどうしても美容の道に入りたいと、キャリアを捨てて学びに来るケースもあります。そうすると、受け入れる側としても、この人の人生をどうしようかと強い責任を感じます」(優子さん)
どういう人がヘアスタイリストに向いているかを聞いた。「心がぶれない人ですね。お客様に喜んでいただきたいという根底の部分が揺らがない人。お客様がセレブであろうとモデルであろうと関係ない。そのモチベーションをしっかり持っていることが重要です」
また、日本とアメリカの業界の違いについては「日本だとしっかり徒弟制度が確立していて、仕事も細分化されています。でもこちらだと自分一人でシャンプーして髪も切ってレジもやって掃除もします。さらにマーケティングして自分で自分のお客様を連れてこないといけない。非常にインディペンデントですよね」と語る。
最後に就職や転職を考えている人に、今後の美容業界の展望を聞いた。「非常にいい時代が来たと思います。昔と違って今はSNSを含むメディアの扱いに長けていれば、お客様を呼んでくることができます。経営者意識が高い人にはやりがいがあるお仕事です」
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