【ニューヨーク不動産最前線】
不動産業界が復活の兆し

気候が良くなり、ワクチン接種も進んできたおかげで、ニューヨークにも活気が戻ってきました。レストランも(人数制限はありますが)室内飲食が可能になって、街に人が増えてきました。不動産のマーケットも1カ月ほど前から活発になってきました。レンタル、セールともにどんどん在庫が減ってきています(下記の表を参照)。まだまだコロナ前の状態までには戻っていませんが、値段が下がっている間に住宅をアップグレードしたいというニーズに支えられて、レンタル、セールともにマーケットが動き出しています。おかげさまで不動産ブローカーの仕事も忙しさが戻ってきました。私も、このタイミングを機に20年間所属した日系不動産会社を辞めて、Compassという米系会社に転職しました。

ところでブローカーの仕事というと、大雑把には物件を見せて値段交渉をして契約の手伝いをする、というイメージだと思います。一般的には外を動き回る仕事という印象かもしれません。ところが実際の仕事の大半はコンピューターと向き合うデスクワークが占めています。一般的なデスクワークの人は一日に100通程度のメールのやりとりがあるそうですが、ブローカーも例外ではありません。日常のメールのやりとりに加えて、お客様へのプレゼン用資料作成、そのためのマーケットデータ分析、実際のショーイングのための物件選択とアポ取り等すべてデスクでの仕事で、その間にミーティング等が入ります。Covid-19以降はミーティングもすべてオンラインとなったため、ますますデスクから離れられなくなってしまいました。お客様に物件を見せている間と、査定のために物件を見に行っている時以外はほぼデスクワークとなります。

Compassは創業からわずか8年で全米1の不動産仲介会社になりました。どちらかというとコンサバなこの業界には珍しく、IT企業といって良いくらいに社内インフラがITによって整えられていて、すべての業務がオンライン化されています。本来ならそれぞれバラバラに市場に存在している資料やデータソースが社内ですでに集められてエージェントがいつでもアクセスできるようになっているので、自分で資料を探したり複数のデータソースを個別にチェックするという手間が省けるので大幅に効率アップできます。さらに社内向けのプラットフォームが充実していて、アポイントの有無や、それぞれのプロジェクトごとの進捗状況も一目で分かるように設計されていて、とことん業務効率アップが計算されています。

このプラットフォームやツールを使いこなす必要がありますが、今まで各エージェントの経験や能力に頼っていた部分を大幅にサポートしてくれて、結果的にはお客様に的確かつ迅速なサービスができるシステムになっています。

この1年間元気のなかったニューヨークに活気が戻ってきて、私も新しい会社に移り新たな仲間や人々との交流によって、エネルギーが復活した気がします。今年はニューヨーク復活の年です。

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柏原知子 (Tomoko Kashihara)

柏原知子 (Tomoko Kashihara)

ライタープロフィール

大阪女子大学(現:大阪府立大学)卒業後、CBRE Japanに入社。東京で外資系企業のオフィス移転を担当する商業不動産ブローカーとして働いた後、ニューヨーク勤務を機に住宅ブローカーに転向。1999年より住友不動産販売NYで活躍した後、2021年に米系大手Compassに移籍。趣味は旅行、クルーズ、トレッキングとイタリア語。

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