これからの時代は
個人起業家が世界を支えていく

Text:Haruna Saito

New Business Close Up
アメリカで新たな事業を手がける人物をクローズアップするインタビューシリーズ。

2020年8月にビジネスオンライン化スクールという事業を立ち上げ、受講生を順調に増やしているHUNDRED DREAMS, Inc.の「ハワイビジネスモード内田塾」。その代表であり、みずから講師も務める内田 直さんに話を聞く。

個人起業家を支援したいとビジネスを立ち上げた内田 直さん

コロナを機に始めたオンラインビジネス

「ハワイビジネスモード内田塾」は、個人起業家の支援を目的としたオンラインビジネス起業塾。個人起業家が世界中どこでも稼げるようになるため、ビジネスオンライン化のノウハウを教えている。2020年8月にビジネスをスタートし、受講生は現在50人以上。ハワイをはじめ、アメリカ本土、日本、ニュージーランド、オーストラリア、ヨーロッパなど世界中から参加者が集まっている。

「受講生には女性が多いです。男性は起業すると組織として会社を大きくする人が多いのですが、女性経営者は一人で行うことが多いんです」と、代表であり講師でもある内田さん。最近は男性の受講生を増やすために募集ページのデザインを工夫しており、この4月に始まる第5期では男性も半分近く集まっているそうだ。「20代、30代の受講生は少なく、40・50代が1番多いですね。なかには60代の方もいます」。

もともと内田さんは、ハワイのローカル企業向けにデジタルマーケティングのコンサルティングを行っていた。クライアントの9割が、日本人観光客を対象としたビジネスを行っていたそうだ。しかし、コロナ禍になってクライアントの収入がゼロになり、次々と職を失う人が増加。当時のハワイの失業率は38%にも上った。

「当然うちも契約のキャンセルが続き、逼迫した状態でした。そんな時、失業した知人たちから『オンラインで稼ぎたい』『自立したいけどどうしたら良いか』といった問い合わせが連日寄せられるようになったんです。そこで、僕が持っているECやSNSの集客法といったマーケティング知識を教えようと、無料のセミナーを始めました。Facebookでオンラインサロンを作ったところ、1カ月で1000人ほど集まったんです。するとセミナーの参加者から、お金を払うのでもっときちんと教えて欲しいという声が上がるようになりました。そうして2020年8月に、オンラインビジネス起業塾を始めることになりました」

初めはハワイビジネスモードというオンライン講座だったが、受講生が「内田塾」と呼ぶようになり、現在はそちらの名前を使うようになったという。

オンラインビジネスは
最高のワークスタイル

ビジネスを完全オンライン化すれば、場所や時間を選ばず仕事ができる。これがストレスを感じない1番良い生き方だと内田さんは言う。

「僕は “人生=時間” だと思っています。お金はいくらでも増やせるけど、時間って増やせないじゃないですか。だからこそ時間をいかに貴重に使うかが大事だと思います。会社で就業時間が決まっていると、3時に仕事が終わったとしても5時まではデスクにいなければいけない。1日2時間やることのない日が100日あれば200時間となり、200時間あればいろんなことができます。ビジネスをオンライン化すると、オフラインで業務を行う必要がないので場所と時間に縛られずに有効に使うことができます。リフレッシュしながら新しいことをインプットして、次にアウトプットするための活力ができるんです。自分の時間軸でプライベートと仕事をコントロールできるほうが圧倒的にストレスのないワークスタイルだと僕は思うし、みんなが幸せになれる方法だと思うんです」

内田さんはさらに、会社に属することが年々リスクになっていると話す。「企業という組織がうまくいかないのは、雇用する側と雇用される側という関係性が軋轢を生むから。お互いが事業主だったら、受注した側は切られないように対価に合った仕事をこなし、発注した側は断られないように相応の対価を支払います。お互いが緊張感を持って仕事ができるので、対等な立場でビジネスを行うことができるのです。今後はこういったフェアなビジネスストラクチャーが主流になり、既存の枠組みや既成概念に囚われた働き方では世の流れにはついていけなくなると思っています」。

起業に必要なのは、
勇気ではなく情報

稼ぐことは難しいと思われがちだが、内田さんはそれをあっさり否定する。「要は、稼げる方法を知っているかいないかの問題。実際に月に100万円稼いでいる人にその方法を聞いて実践すれば、再現性高く同じような結果を出せます。起業するのに必要なのは、勇気ではなく情報なんです」。内田さんが提言しているのは、Eラーニングの世界に入ることだ。「過去の知識や経験を教育コンテンツにするんです。オンライン教材の販売もあれば、オンライン講義を開催したりオフラインで教えたりという方法もあります。自身の過去の経験や知識を教材としてカスタマイズするので、コストがかからず “売り上げ=利益” にできます。ビジネスで1番やってはいけないのは、在庫を持つこと。たとえば飲食店の場合、売り上げの2〜3割が家賃、3割が人件費、3割が仕入れと考えると10%しか利益が残りませんよね。在庫を持った瞬間、資本力がなければ個人起業家は負けてしまいます」。

マネタイズのポイントは、「自分の強みを生かすこと」だそうだ。自分では大したことがないと思っていても、周りの人がすごいと思ってくれていることは自身の強みとなる。その能力・技術をビジネスにインプットすることで他者との差別化ができるのだ。

「みんな、『自分の知識なんかでお金は取れない』と言います。でも、世の中というのは知識のある人とない人の差分がお金になるんです。自分よりすごい人はたくさんいるかもしれませんが、自分より知識が少ない人を対象に教えればいいだけ。世の中には相対的な価値しかありません。場所とターゲットといった比較対象を変えるだけで物の価値は変わるんです。しかもオンラインなら世界中がマーケット対象。だからこそ、このビジネスは成り立つんです」

内田塾では、最初に強みの発掘テストを行う。コミュニケーション能力が高い人ならコーチング能力を生かすといった形で、それぞれの強みを生かしたマネタイズの戦略を考えるのだ。「自己分析を行い得意なものにフォーカスすることでアウトプットできる量を上げていく。自分の価値観に合ったビジネスをすることが大事です。逆に、儲かる・儲からないで決めるビジネスはやりがいにつながらないので続きません」。

行動しないと結果は生まれない

内田さんの今後の目標は、内田塾をもっと大きくしていくこと。世界中の個人起業家をサポートしたいと話す。「僕のメソッドを僕以外の人が教えられる仕組みを作りたいです。僕が教えられる人数は決まっているけど、僕以外にこのメソッドを教えられる人が増えればもっと多くの個人起業家を助けることができます。そのうち、受講生の中から認定講師みたいなものを定めて活躍してもらい、フランチャイズのような形でビジネスをスケールさせていけたらいいなと思っています」。

最後に読者に向けてメッセージをもらった。

「人生を変えたいと思ったら行動するしかありません。行動は思考、思考はマインド。マインドセットができていないと行動できないし、結果も出せません。人間は本質的に安定を求めたがるから、変わるのはチャレンジでありリスクでもあります。しかし、リスクを取って進んだ人だけが新しい景色を見られるんです。過去と現在、現在と未来はつながっているけど、過去と未来はつながっていません。理想の未来を手に入れたいなら、過去の延長線上につながる現在ではなく新しい現在に書き換える必要があるんです。今の行動を捨てるとスペースが空くので、そこに新しいものを入れることができます。人生を変えたいなら、今すぐ捨てるものを捨てて新しいことにチャレンジすることを僕はおすすめします」

ハワイビジネスモード内田塾www.hibizmode.com

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PROFILE
内田直
1969年静岡県生まれ。早稲田大学卒業。2000年10月に楽天株式会社に入社。3カ月でトップECコンサルタントに昇格し楽天賞受賞。2011年にハワイへ移住。2014年にデジタルマーケティングのコンサルティング会社HUNDRED DREAMS, Inc.を設立。2020年より世界中の個人起業家にビジネスのオンライン化を教える「ハワイビジネスモード内田塾」を主宰。個人起業家の夢実現をエンパワーメントすることを使命にハワイで活動中。

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