新興企業アクアンタ(Aquanta、ワシントンDC拠点)は、家庭用温水器の新しい制御装置の販売を開始した。
グリーンテック・メディアによると、同社はその製品によって「スマート温水器」という新市場を確立しようと狙っている。グーグル(Google)に買収されたネスト・ラブズ(Nest Labs)がスマート室温調節器の市場を創出したのに似た流れだ。
家庭用温水器は注目されることがほとんどない地味な市場だが、通信網に接続してスマートフォンで操作できるようにすることで、大きな節約を達成できる可能性がある。
家庭用温水器はまた、消費者が能動的に選ぶ製品ではなく公益会社や設置業者任せに選ばれることが多いという点でも、ネスト以前の室温調節器市場に似ている。
「ネストやエコビーといった会社が市場を激変させた」「旧態依然とした業界側によって電力負荷管理に重点が置かれていた市場にあって、『消費者への価値提示によって電力消費効率化に参加を促そう』という気概をそれらの新興企業は見せた。当社はそれを温水器で進めている」「米国だけでも1億台の温水器があるのに、簡単な改良方法を提供している会社がほかに1社もない」と、アクアンタのマット・カールソン最高経営責任者(CEO)は述べた。
同社の装置の価格は150ドル。電気式と天然ガス式の温水器の両方に対応している。
温水器内の水に出入するエネルギーを測定する検知器のほか、温水器のオンとオフを操作するコントローラー、それに家庭用ルーターに接続するワイファイ接続機能が含まれている。
同社のアプリケーションを使えば、温水残量を確認したり漏水警報を受信したりできる。最大の売りは、温水使用量と温水生成の状況を分析して、エネルギーの無駄使いを減らせる点だ。
「温水器に使われるエネルギーの20〜50%が待機状態を通じて無駄遣いされている」と同氏は指摘する。比較的少人数の利用者から集めた過去1年ほどのデータでは、同社の装置を使うことで10〜30%のエネルギー節約効果が確認された。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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