米国から海外への転居先、12年のトップはドイツ

 2012年に行われた米国から海外への引っ越しのうち、最も多い転居先はドイツだったことが、米引越しサービス大手ユナイテッド・バン・ラインズの統計で分かった。

 CNNによると、ユナイテッド・バン・ラインズでは12年、米国からドイツへの引っ越しの取り扱いが573件に上り、2位の英国向けを29%も上回った。海外から米国への転居では、 英国からの引っ越しが最も多く、ドイツは2番目だった。

 ユナイテッドが手掛ける国際転居の多くは企業の転勤であるため、同社の統計からは企業がどこに人材をつぎ込んでいるかが分かる。また、国際転居の数は09、10年に減少していたが、経済回復を反映して11年と12年は増加している。

 米国からドイツへの引っ越しの多くは米軍関係者。ドイツには5万人以上の米兵が駐留している。また増加率が最も大きかった転居先は環太平洋諸国で、過去2年間に10%以上増えた。これは米経済の不透明さが続いているためで、ユナイテッドの親会社ユニグループ・リロケーションのリッチ・マクルア最高経営責任者(CEO)は「多くの米企業は、状況が安定するまで海外子会社の成長に力を入れ、そこに人材を投資する」と話した。12年の米国からの転居先で3番目に多かったのは、近年エネルギー生産や鉱業が好調なオーストラリアだった。

 一方、国内で転入率が最も高かったのはワシントンDCで、5年連続の首位。軍事産業、銀行、製薬、医療業界などを中心に、企業は大きな収入源である連邦政府の近くに事務所を開いてDCの業務を拡張している。2位以下はオレゴン、ネバダ、ノースカロライナ、サウスカロライナ。

 転入に対する転出の割合が最も高かったのはニュージャージー。イリノイ、ウェストバージニア、ニューヨーク、ニューメキシコが続いた。

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