SSDに追いやられるHDD〜タブレット効果と価格低下で市場を奪取

 タブレットやスマートフォンの需要増を受けて、内蔵されているソリッド・ステート・ドライブ(SSD)の売り上げも好調に伸びている。しかし、それは同時に、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)が存亡の危機に直面していることを意味する。

 コンピュータワールド誌が掲載した調査会社IHSアイサプライの報告によると、2012年のHDD世界販売高は2011年の371億ドルから11.8%減の327億ドルに落ち込んだ。

 アイサプライはさらに、HDDの売り上げが今後横ばいまたは微減を続け、2014年には320億ドルに低下すると予想する。HDDの出荷台数では、2011年の6億2630万台から2012年は5億7810万台に落ち込んだ。

 アイサプライのファン・ザング氏によると、HDDの主力市場であるデスクトップ型パソコンの販売台数低迷がその背景にあり、HDD市場は2013年にさらに悪化する見込みだ。それに加えて、SSDの価格が下がっていることもHDD市場に打撃を与えている。

 ただ、HDDはストレージ市場で生き残る見通しだ。業務用パソコン市場ではHDDが健在であることがその理由として挙げられる。特にギガバイト(GB)以上の大容量が必要な場合、コストの面からみてもHDDの優位性にゆるぎはない。

 2012年におけるSSDの1GBあたりの価格は1ドル程度だが、HDDは0.1ドルとSSDの10分の1だ。

 HDD業界にとってもう一つの朗報は、ウェスタン・デジタルが開発したヘリウムHDDだ。ヘリウムを充填したHDDは、内部の摩擦を劇的に減らす結果、電力消費量が従来型に比べて23%も少なく、容量も40%増やせる。ヘリウムHDDはデータ・センターでの利用が期待されている。

 ウェスタン・デジタルはヘリウムHDD技術によって、HDD業界最大手のシーゲート(Seagate)に取って代わる可能性もある。シーゲートは現在、業務用HDD市場の50%を握るが、ヘリウムHDDに市場の一部を奪われるという見方もある。

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