eコマースの隆盛を背景とする配送業界の激戦が続く中、フェデックスは2017年の年末商戦期も原則的に追加料金を取らないと発表した。
ウォールストリート・ジャーナルによると、フェデックスの決定は、感謝祭前後とクリスマス前は陸上輸送に追加料金を上乗せする同業ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)とは対照的。年末は1日の手荷物取扱量が普段の倍の2600万個超となることが多く、追加料金を取るか取らないかは大きなかけとなる。
ただしフェデックスは、陸上輸送の10%を占めるサイズ超過の手荷物や特殊な形状の荷物など余分な手間がかかる荷物からは追加料金を取る。UPSはほとんどの宅配手荷物に1個当たり27〜97セントの追加料金を請求し、全体で数千万ドルの追加収入を得ると見られている。
フェデックスの上席コミュニケーション&マーケティング責任者パトリック・フィッツジェラルド氏は同社の決定について「UPSへの対抗ではなく、効果的な価格設定をした」と説明。一方のUPSは自社の価格設定を「需要を満たすため普段の2倍の荷物を配達しなければならない6〜7週間に、当社が提供する高い価値に対する適切な報酬」と話している。
両社は、商品のオンライン購入の増加に対応するためネットワークの調整に多額を投じている。市場調査イーマーケターは、今年のホリデーシーズンはオンライン売上高が前年比17%増加の1070億ドルになると予想しており、小売り業界全体の3.1%増を大幅に上回る見通し。
UPSの追加料金適用期間は、11月19日〜12月2日と12月17〜23日で、サイズ超過の荷物には割増料金の上に加算される。
フェデックスのサイズ超過荷物に対する追加料金期間は11月20日〜12月24日で、現在の送料が72.50ドルのオーバーサイズ荷物には25ドルの追加料金がかかるほか、同社の規格を上回る特例荷物(通常は送料115ドル)は300ドルの割増、それ以外の手間がかかる荷物も3ドルの追加料金がかかる。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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