ウォルグリーン、小売り店舗で初のネット・ゼロ実現へ

 薬局チェーン大手ウォルグリーン(Walgreen Company、イリノイ州)は、自家発電によって消費電力が差し引きゼロになる「ネット・ゼロ店舗」をオープンする。実現すれば、小売店でネット・ゼロ達成は全米初という。

 エナジー・マネジャー・トゥデイによると、店の場所は、本社のエンジニアが行きやすく電力の生産・使用状況を把握しやすいイリノイ州エバンストン。800枚以上のソーラーパネル、2基の発電用風車、地下550フィートの地熱を利用した発電のほか、エネルギー効率の高い建築資材、LED照明や自然光、二酸化炭素(CO2)冷媒を使った超高性能の冷暖房・冷蔵技術など、最新の技術を投入してネット・ゼロ実現を図る。

 同社の技術担当者によると、天候、業務の状況、設備の稼働状況などによって多少の変化はあるが、店は年間約20万キロワットの電力を消費し、25万6000キロワットを発電する見通し。

 国内では、ネット・ゼロを目指して始まったいくつかの試みが苦戦している。オベリン大学(オハイオ州)のアダム・ジョセフ・ルイス環境研究センターは、11年前にネット・ゼロ建造物として建てられたにもかかわらずまだ電力の完全自給ができず、今も一部を電力会社の送電網に頼っている。

 ウォルグリーンの新店舗は、米国グリーン・ビルディング・カウンシル(USGBC)の環境性能評価制度「LEED」で最高のプラチナ認証を申請する予定で、インターナショナル・リビング・フューチャー・インスティチュートのネット・ゼロ基準「リビング・ビルディング・チャレンジ」にも参加する。

 ウォルグリーンは、2020年までにチェーン全体でエネルギー消費量の20%削減を目指しており、これまでに2軒の施設でLEEDのゴールド認証を受けている。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
  2. Water lily 今年は年頭から気にかかっている心配事があった。私は小心なうえに、何事も...
  3. 峡谷に位置するヴァウリアル滝の、春から夏にかけて豪快に水が流れ落ちる美しい光景は必見。島には約16...
  4. 2024年6月3日

    生成AI活用術
    2024年、生成AIのトレンドは? 2017年に発表された「Transformer」...
  5. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  6. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  7. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  8. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
ページ上部へ戻る