STマイクロとエリクソン、合弁事業を解消

 半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(STMicroelectronics、以下STマイクロ)と通信機器メーカーのエリクソン(Ericsson)は、モバイル端末向け半導体製造合弁会社のSTエリクソン(ST-Ericssson)を解散する。

 インベスターズ・ビジネス・デイリーによると、両社は合弁会社の一部をそれぞれ引き取るほか、一部については完全に閉鎖し、それにともない約1600人が失職する。

 STエリクソンは、アップル(Apple)やサムスン(Samsung)といったスマートフォン・メーカーを相手に苦戦する携帯電話機大手ノキア(Nokia)からの受注が激減したため、ここ数ヵ月、廃業の憶測が流れていた。

 競合するアジア半導体メーカーが市場変化に迅速に対応するため生産を外注する傾向にあるのに対しても、STエリクソンは出遅れ感を否めなかった。

 また、サムソンのように、一部の電話機メーカーが半導体を内製していることも、STエリクソンの業績不振に影響した。

 エリクソンとSTマイクロはSTエリクソンの売却先を探していたが、それがかなわず合弁事業解消となった。STエリクソンは、2008年の設立以来、赤字経営が続いていた。

 STマイクロは、STエリクソンの顧客向けに需要があれば製品を今後も製造する。

 合意に基づき、STエリクソンの社員と請負業者約1800人がエリクソンに、約950人がSTマイクロに転籍する。

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