大名屋敷の模型修復 ウィーン万博展示品
- 2013年3月22日
- 世界のニュース
【共同】ウィーンのハプスブルク家の王宮内にある民族学博物館の倉庫で、明治政府が1873年のウィーン万博に出品した大名屋敷の木造模型が見つかり、博物館は22日までに修復することを決めた。2016年ごろに開く日本常設展の目玉として、約140年ぶりに一般公開する。修復に関するノウハウを持つ京都工芸繊維大が作業に協力する。
ウィーン万博には、富国強兵を進めた日本政府が貿易による産業振興を目指し、国として初参加した。模型は焼いた瓦など本物の建物と同じ精巧な造り。オーストリアと日本の交流史に詳しいドイツ・ボン大のパンツァー名誉教授は「日本文化を紹介し、世界に踏み出すきっかけにしようとした明治政府の意気込みが伝わる貴重な史料」としている。
博物館によると、模型は実物の18分の1程度の大きさで、土台の幅が約3メートル、奥行きが約4.6メートルある。日本が出品した約6000点のうちでも最大の部類だ。御殿のほか、白壁の長屋門や能舞台、高さ約70センチの火の見やぐらも付いており、全体を三つに分けて保存されていた。
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