職場の人間関係や生産性を向上するアルゴリズム 〜新たな分析分野の台頭
- 2013年6月14日
- ハイテク情報
電子メールやソーシャル・ネットワーク上のつながり、通話記録を含む大量のデータをもとに仕事上の人間関係を分析して、職場の人間関係や生産性向上に役立てる試みが広まりつつあり、いくつかの新興企業が、そういった機能を可能にする技術製品の売り込みを積極化させている。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、2011年にシリコン・バレーで創設された新興企業のリレートIQ(RelateIQ)は、個人の各種デジタル・データを同僚のデータと比較し、重要事項や人物を見つけるソフトウェアを開発した。
同社のアダム・エバンス共同設立者は、「経験20年の熟練した関係管理担当者(relationship manager)がするようなことをやってのけるアルゴリズムを作りたかった」と話す。
リレートIQのソフトウェアは、初回稼働時に1分あたり1万件の電子メールやカレンダー・エントリーをスキャンする。電子メールのコンテントを同僚から見えないようにする設定も用意するなど、社員のプライバシー保護も図った。
一方、ボストン拠点の新興企業ソシオメトリック・ソリューションズ(Sociometric Solutions)は、社員の動線や会話の調子に関するデータをセンサーで収集し、社員同士の相互作用がどこで減少しているかや、社員がどこに集っているかを管理職が把握できる技術を開発した。
かたや、サンフランシスコ拠点のテンザー(tenXer)は、コンピュータ技術者向けにコード修正や会議所要時間を追跡し、その生産性を同僚と比較するプログラムを開発している。
さらに、イエスウェア(Yesware)は、電子メールが開封された件数や受信者が使っている端末を監視し、電子メール・トラフィックに関する分析報告を作成する技術を開発した。
それらの新興企業が目指すのは、人の手では不可能なパターン検出を実現するソフトウェアだ。
オンライン決済サービスのスワイプリー(Swipely)は直近の資金調達ラウンドでイエスウェアの技術を活用した。スワイプリーの最高経営者(CEO)が送った電子メールをベンチャー・キャピタリストたちが開封した件数や、電子メールのリンクがクリックされた回数を分析し、同社への関心の高さの把握に努めた。
オラクル(Oracle)やSAPを含む業務用ソフトウェア大手も関係管理分野の強化に乗り出している。
また、セールスフォース(Salesforce)の業務用ソーシャル・コミュニケーション・ツール「チャター(Chatter)」は、利用者の過去の行動様式に基づき、注視すべき人物やトピックを分析して提案する機能を提供する。
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