理想へ「現実路線」 ロシア冷淡、前途は多難 オバマ氏の核軍縮提案

 【共同】オバマ大統領がロシアに戦略核の追加削減交渉を呼び掛けた。「核兵器なき世界」に向けた提言としては控えめな「新味に欠ける内容」(米専門家)。理想へ一歩でも前進するため現実路線を取ったといえるが、パートナーとして名指しされたロシアの反応は冷淡そのものだ。

 「正義に基づく平和とは、核兵器なしに世界の安全を追求することだ。その夢がいかに遠いものであっても」。オバマ氏は19日、ベルリンでの演説で核軍縮への決意を語り、ロシアとの交渉により、今年3月1日現在で1654発ある配備済み戦略核弾頭を千発水準まで追加削減する用意があると表明した。

 米軍を含めた2年間に及ぶ核戦力見直し作業の結論だった。しかし、政権内部で検討された約3千発の予備核弾頭の一方的削減や、核兵器の役割を敵の核攻撃抑止に限定する案は見送られた。

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