肥満は「病気」と米医師会〜定義を「格上げ」
- 2013年6月24日
- アメリカ発ニュース
米医師会(AMA)はこのほど、社会問題にもなっている米国人の肥満を「病気(disease)」と呼ぶことを決めた。
ロサンゼルス・タイムズによると、AMAはこれまで、肥満を「切迫した慢性症状」「大きな健康懸念」「複雑な不調」と呼んでいたが、18日に開かれたAMA代議員会での採決では、「不健康状態(health condition)」「異常(disorder)」「病気のしるし(marker)」よりも深刻な、病気そのものに「格上げ」することに決定した。
代議員の1人パトリス・ハリス医師は「肥満を病気と認識することで、米国人のほぼ3人に1人に影響を及ぼしているこの複雑な問題に対する医療関係者の取り組み方が変わることになるだろう」と話した。米国では現在、 成人の3分の1超に相当する7800万人と児童の17%に相当する1200万人が、ボディマス指数(BMI)が30を超える肥満となっている。
今回の決定によって、肥満の診断や治療は医師の専門家としての責務の1つとなる。調査によると、肥満患者の半分以上は医療専門家に「減量が必要」と言われたことがなく、医師によっては指摘して患者の気分を害したくないと考える人や、保険が適用されるとは限らない長時間の診察をしたくないという人もいる。
ペンシルベニア大学のレックスフォード・アヒマ医師は「かかりつけ医師らは現在、肥満を行動問題と見る傾向にあるが、これからは治療に取り組まなければならなくなる」と指摘する。
同時に、医師がBMI30を超える患者と肥満の危険性を話し合うことは医療行為であり、保険を適用すべきという議論が生まれることは確実で、保険業界への圧力が高まりそうだ。
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