FDA、医療機器メーカーにサイバー犯罪対策強化を要請
- 2013年6月26日
- 米国ビジネス
連邦食品医薬品局(FDA)はこのほど、医療機器メーカーに製品のサイバー・セキュリティ機能を強化するよう呼びかけた。ハッキングや不正ソフトが医療用モニターや造影機器にまで悪影響を及ぼす例が増えているため。
ウォールストリート・ジャーナルによると、FDAは今回初めて、製品の発売認可申請の段階から国際的なサイバー攻撃に備えるようメーカーに勧告した。さらに、機器を使用する病院に対しても、サイバー犯罪に注意するよう求めた。
FDAによると、医療機器に関するサイバー・セキュリティ問題は過去1年間で大幅に増えており、放射線機器や胎児用のモニター機器などの不具合が報告されている。増加している理由の1つは、医療機器がさまざまな通信網とつながるようになったこと。病院の集中治療室や病室、公開手術室の各種装置は、インターネットに接続された施設内の通信網とつながっているため、医療機関が不正ソフトによる攻撃を受けた場合、現場の医療機器にも悪影響が及ぶ可能性がある。
こうした機器の巻き添え被害と関連する死亡や負傷の例は報告されていないが、ミシガン大学でセキュリティ問題を研究するケビン・フー氏は「短期的なリスクとして最も心配なのは患者の治療ができなくなること。ウイルスがデータを乱したりプロセサーのオーバーロードを起こしたりして、治療に必要な医療機器が一時的に使えなくなる恐れが考えられる」と指摘する。
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