映画撮影はプラズマ照明で〜ハリウッドでも環境対応進む
- 2013年8月2日
- 米国ビジネス
環境意識が高まるハリウッドの映画産業で、映画やテレビ撮影の消費電力を節約できるプラズマ照明が注目されている。
ロサンゼルス・タイムズによると、保守管理がしやすく、発光までの時間が短いなどの特長があるプラズマ照明は、街灯や医療機器などに使われることが多かったが、LED照明のような色の問題がなく、業界で一般的なHMI照明より30倍も長持ちするため、毎日18時間の撮影が何カ月も続くような映画制作にも適している。
プラズマ照明は省エネ効率も高く、撮影セットのエネルギー消費量を50%、電気代を約40%削減できる上、光の揺れがなく、可視光線の全色を含む。
2011年3月に設立されたプラズマ照明機器販売のハイブ・ライティング(Hive Lighting、カリフォルニア州)は、今年の売り上げが現時点で12年通年の10倍に達している。ジョス・ウィードン監督の新作映画「Much Ado About Nothing(空騒ぎ)」で撮影監督を務めたジェイ・ハンター氏は、制作予算が少なく発電機なしの撮影を強いられたため、ハイブのプラズマ照明を使った。同氏によると、色の表現には自然光が最適だが「プラズマはそれに近い」という。
ホンダ、マイクロソフト、ターゲットといった顧客に、できるだけ環境に優しい広告の撮影方法を助言しているエコセット・コンサルティングのクリス・バーバーグ取締役は、映画制作を省エネの観点から見た場合「照明は最も遅れた分野の1つ」と指摘し、顧客にハイブ製品の利用を薦めている。
ハイブの製品はブラジル、オーストラリア、フランス、ドイツにも輸出されており、今年テキサス州オースティンで開かれたサウス・バイ・サウスウェスト芸術祭では「Much Ado」のセレモニーで使われた。CBSの人気ドラマ「ザ・メンタリスト」や「CSI」にも使われており、今月モントリオールで開催されるIPC世界水泳選手権でも使われる予定。
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