スマート腕時計市場、サムスン参入で本格化 〜需要を疑問視する声も
- 2013年8月20日
- ハイテク情報
次なるデジタル製品市場としてスマート腕時計市場への注目が強まっている。アップル(Apple)に加えて、サムスン(Samsung)がスマート腕時計を2013年内に市場投入すると発表したことから、同市場の本格化が確実視される。ただ、その一方で、スマート腕時計の需要を本当に喚起できるのか疑問視する見方もある。
ビジネスウィークによると、サムスンは、スマート腕時計「ギャラクシー・ギア(Galaxy Gear)」を9月4日に発表する計画を明らかにした。ギャラクシー・ギアは、電話やウェブ閲覧のほか、電子メールの送受信も可能。基本的には、スマートフォンを腕時計にした格好と言える。
一方のアップルは、正式な発表はまだだが、以前から憶測記事が頻繁に報じられており、仮称「アイウォッチ」を2013年中に発売するものとみられる。アップルでは、約100人の人員がアイウォッチの開発に当たっていると言われる。
スマート腕時計市場には小規模メーカーが製品をすでに投入している。たとえば、クラウドファンディング(個人の小口投資家をオンラインで集めて資金調達する仕組み)を利用して起業したペブル(Pebble)もその一社だ。
噂だけが先行するアップルのアイウォッチに、数少ない新興企業の進出が加わった格好だったが、サムスンの参入が正式となったことから、スマート腕時計機運が一気に高まった。
消費者電子製品メーカーはこれまでスマートフォン市場の開拓に注力してきたが、先進国市場では飽和状態になりつつあることから、新市場開拓の必要性も指摘されるようになっている。
その結果、生活機器をスマート化させる動きが活発になりつつある。消費者電子製品業界ではそれを「アイライフ・スタイル(iLife-Style)」製品と呼び、テレビや腕時計をはじめ、冷蔵庫に代表される一般家電のスマート化も始まっている。
しかし、スマートフォンの普及によって腕時計をしなくなった消費者が増えた昨今、スマート腕時計の市場が本当にあるのかどうか疑わしいと指摘する声もある。世界の腕時計市場は600億ドルと言われるが、スマートフォンを使い始めたことを理由に、腕時計を使わなくなった人は多い。
それに対してスマート腕時計のメーカーは、利用者がスマートフォンをポケットから出さずに用を足せるならスマート腕時計を受け入れる大きな市場がある、と考えている。
また、スマート腕時計の機能性に疑問を呈する見方もある。ナイキが開発した身体データ監視機能を持つ身体装着型電子機器のフュエルバンド(Fuelband)のように、スマートフォンにない独自機能がなければ、スマート腕時計の市場には限界があると指摘される。
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