アムジェン、同業オニキスを買収〜抗がん剤の品ぞろえ拡充
- 2013年8月26日
- 米国ビジネス
バイオテク医薬品大手アムジェン(カリフォルニア州)は25日、抗がん剤メーカーのオニキス・ファーマシューティカルズ(同)を約104億ドルの現金で買収すると発表した。オニキスが持つ多発性骨髄腫(血液がん)治療の大型新薬の販売権などを取得し、収益拡大を目指す。
ロイター通信によると、オニキスは、独バイエルとの提携で2つの抗がん薬を製造し、このうち肝臓や腎臓がんの治療薬「ネクサバール」は2012年に8億6100万ドルを売り上げ、オニキス側に2億8800万ドルの収入をもたらしている。
また、12年9月に結腸直腸がんの治療薬として、13年2月には他の薬が効かない腸のがんの治療薬として認可された「スティバルガ」、2種類以上の薬品を試した患者向けの多発性骨髄腫の治療薬として13年7月に認可された「カイプロリス」なども開発しており、バイエルとともにネクサバールの乳がん治療薬としての試験も進めている。
オニキスは今年6月、アムジェンから提示された1株120ドルでの買収案を拒否したが、今回は1株125ドルで身売りに合意した。買収手続きは今年第4四半期初めには完了する見通し。
アムジェンは、骨粗しょう症治療薬「プロリア」、慢性関節リウマチや皮膚病の治療薬「エンブレル」、がん患者向け感染症治療薬「ニューラスタ」や「ニューポジェン」などを生産している世界最大のバイオ薬品メーカーで、12年の売上高は172億7000万ドル。
アムジェン自身も、14年上半期には皮膚がん、再発卵巣がん、コレステロール抑制剤「リピトール」などに反応しない悪玉コレステリール(LDL)値の高い患者向けの治療薬という3つの新薬の後期臨床試験データを発表するとみられている。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ