もう1つの天然資源も活用〜中東でソーラー発電が急拡大
- 2013年9月10日
- 米国ビジネス
世界中で代替エネルギー発電への移行が進む中、石油の豊富な中東でもソーラー発電が急速に拡大している。
フォーブス・コムによると、サウジアラビアは2032年までに電力の3分の1を再生可能エネルギーで賄うことを目指しており、12年にはソーラー発電用に1090億ドルの資金を集めると発表した。アラブ首長国連邦(UAE)は今年3月、アブダビで世界最大の集光型太陽熱発電所「シャムス1」を稼働させている。
シャムス1を運営するのは、アブダビの代替エネルギー会社マスダール(Masdar)。同社は世界の太陽熱発電の約10%を開発しており、UAEでは2万世帯に電力を供給している。
市場調査IHSの最新報告書によると、中東、南米、アフリカのソーラー関連支出は17年まで年率40%で増加し、欧米の5〜10%増というペースを大幅に上回ると予想される。世界のソーラー・パネル関連支出は14年に30%増加して30億ドルになる見通し。
中東では、ソーラー・ブームに乗じて地域特有の水不足問題に取り組もうとする新興企業もあり、カルムソーラー(Karmsolar、エジプト)は太陽光発電による海水淡水化システムと給水ポンプ事業を試みているほか、ソラリスト(Solarist、同)は低価格でポータブルな脱塩機の提供を目指している。
格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)によると、ソーラー関連の動きは石油価格の上昇に伴って活発化しており、04〜08年は関連契約が毎年増加して石油価格がピークに達した08年には31億ドルに上った。
米エネルギー省は、50年までに米国の電力の27%がソーラー発電で供給されると見ており、ソーラー発電コストは10〜20年に75%低下すると予想している。石油の豊富なペルシャ湾周辺国にとっては、国内で消費する電力の多くをソーラーで賄うことができれば、その分石油を輸出に回せることになる。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
米技術大手ら、メキシコでの製造拡大に注力 〜 台湾の技術製品メーカーらに熱心に働きかけ
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
米国内都市圏の住宅所有者らは自然災害に要注意〜異常気象による損害危険の高い地域が明確に
-
2024年5月16日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ドライバーの過半数が「AVは怖い」~AAA調査
-
2024年5月13日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EVへの関心、ますます低下~消費者、メーカーの思惑に反し
-
インフルエンサーとブランドをつなぐプラットフォームで台頭 〜 ショップマイ、1850万ドルを調達
-
シンケイ・システムス、魚の活け締め技法を機械化 〜 完成に接近、鮮魚流通網に革新をもたらす可能性
-
ドキュサイン、インテリジェント契約管理サービスを発表 〜 電子署名ソリューション以外に事業を拡大
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開