マイクロソフト、ARM対応サーバー開発に参加 〜 技術断片化抑制に貢献か
- 2014年1月30日
- ハイテク情報
マイクロソフト(Microsoft)は、コンピュータ関連企業が参画する英ARM設計チップ向けサーバー開発プロジェクトに参加する。サンノゼで開催されたオープン・コンピュート・プロジェクト・サミットの会場で発表された。
コンピュータワールドによると、省電力プロセッサーの開発と設計のライセンシング業によって世界的半導体企業にのし上がったARMは、サーバー向けの設計仕様「サーバー・ベース・システム・アーキテクチャー」の開発を進めており、マイクロソフトはその開発事業に加わることを決めた。
現在、同事業には、レッド・ハット(Red Hat)やスース(Suse)、キャノニカル(Canonical)といったリナックス(Linux)開発業者に加えて、ヒューレット・パッカード(HP)やデル(Dell)という大手サーバー・ベンダー、さらに、アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ(AMD)やアプライドマイクロ(AppliedMicro)、カヴィウム(Cavium)、テキサス・インスツルメンツ(TI)といった半導体メーカー、そして仮想化技術のシトリクス(Citrix)が名を連ねる。
マイクロソフトが同計画に参加することを受けて、マイクロソフトがARM設計チップ向けのウィンドウズ・サーバーおよびハイパーVの開発を進めているという憶測も飛び交っている。
マイクロソフトは、ARM設計チップに対応したタブレット向けOSのウィンドウズRTをすでに出しているが、ARM対応サーバーのOSについては、いっさい発表していない。
ARMによると、サーバー・ベース・システム・アーキテクチャーはすでに完成し、同社ウェブサイトにその仕様内容が近く掲載される見通し。
現在、サーバー用チップの主流はx86系で、その開発最大手はインテル(Intel)だ。しかし、ARM設計のチップは電力消費量を劇的に減らすため、ウェブ・ホスティングやデータ分析向けのサーバーで採用されるようになった。
ただ、ARMはチップを設計してそれを半導体メーカーにライセンスするファブレス業態であるため、ARM設計に基づくチップは激増したものの各メーカーが少しずつ手を加えることから、サーバー仕様が多様化し、関連技術の断片化が深刻化しつつある。
実際、ARM設計をもとにしたシステム・オン・チップ(SOC)には多数の種類があり、それぞれに対応したサーバーの仕様が出現したため、数えきれないほどのOSが出回るといった弊害がある。
ARMのイアン・ドゥルー最高販促責任者はサミットの会場で同件に関する懸念を表明し、「今すぐ対処しなければならない」と参加者に呼びかけた。
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