TPPの理念揺らぐ 米国の車関税撤廃案

 【共同】環太平洋連携協定(TPP)交渉を主導してきた米国が、日本車にかける関税を「30年後」というあまりにも遠い将来に撤廃する案を示した。TPPは参加国の域内で、これまでの経済連携協定(EPA)よりも自由化の度合いを高めることを目標に掲げる。米国の案は自由化への消極姿勢を示すもので、TPP自体の理念が揺らぎかねない。

 TPP交渉はこれまで早期妥結を目指して協議を重ねてきたが、参加国の利害対立が解けずに停滞している。日米は交渉を加速するため事務レベルや閣僚による協議を開き、特に溝が深い関税分野で解決策の模索を続けてきた。

 しかし、コメや麦、牛・豚肉など農業の重要5項目の関税を維持したい日本と、日本から譲歩を引き出して自国の自動車産業を保護したい米国の隔たりは大きいままだ。安易に関税の撤廃や大幅削減を認めた場合、自国に多大な影響が出るため、落としどころを見いだせない状況だ。

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