ラックスペース、付加価値サービスを重視 〜 3大クラウド企業と差別化

 クラウド電算サービス大手ラックスペース(Rackspace)のグラハム・ウェストン最高経営責任者(CEO)は、アマゾン(Amazon)やマイクロソフト(Microsoft)、グーグル(Google)といった競合社がアイアース(IaaS=Infrastructure-as-a-Service)の大幅値下げを発表したことを受け、「それらの企業とは一線を画し、今後も付加価値サービスに注力する」方針を明らかにした。

 データ・センター・ノーレッジ誌によると、ラックスペースのテイラー・ロード社長はそれと同時に、企業の多くは、特定アプリケーション向けに最適の基幹網の選択や、基幹網の導入および管理を支援する専門知識を備えたサービス事業者を望んでいると指摘した。

 ロード氏は、ラックスペースと競合他社との違いとして、ラックスペースが顧客のハイブリッド・クラウド・システム運用を支援する点を挙げた。

 グーグルは3月に、アイアース料金の30〜85%値下げを発表。それに続きアマゾンは10〜61%の値下げで対抗し、マイクロソフトも一部クラウド・サービスの料金を最大65%値下げする計画を公表した。

 それらのクラウド・サービス大手は、ラックスペースと違って、規模の経済性を利用したサービスの値下げが可能だ。

 一方、ラックスペースはクラウド基幹網サービスの利用企業について、アマゾン顧客の大半を占めるようなクラウドに精通した企業群と、クラウド導入や管理をクラウド事業者に外注する企業群の二つに最終的に大別されると主張。

 ロード氏は、ラックスペースが後者に属すと述べ、競合企業としてIBM傘下のソフトレイヤー(SoftLayer)や、ベライゾン・テレマーク(Verizon Terremark)を挙げた。

 なお、ラックスペースの2014年第1四半期決算は、売上高が前年同期比16%増の4億2100万ドル、利益は前年同期の2700万ドルから減少して2500万ドルだった。

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