日米防衛指針中間報告 自衛隊活動急拡大を警戒 公明、自民との火種に

 【共同】自衛隊の対米支援を地球規模に拡大することを盛り込み8日に公表された日米防衛協力指針(ガイドライン)改定の中間報告をめぐり、高く評価する自民党国防族と、警戒感を示す公明党幹部の間で早くも温度差が浮き彫りになった。集団的自衛権行使を含む安全保障法制の整備本格化に向け火種となりそうだ。

 「中間報告の段階であり、周辺事態の概念の扱いが決定されたということではない」。現行指針が日米の協力枠組みの一つに定めた「周辺事態」の区分を中間報告で撤廃したことに関し、菅義偉官房長官は10日の記者会見でこう説明。最終決定ではないと強調した。

 公明党の佐藤茂樹外交安全保障調査会長が9日「周辺事態(の概念)はさまざまな議論を経た上でなければ簡単になくせるようなものではない」と異議を唱えたことを踏まえ、与党内の亀裂拡大を防ぐ必要があると判断したためだ。

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