太陽光発電の余剰電力を電気自動車の充電に 〜 投資回収期間が大幅短縮
- 2014年11月10日
- 環境ビジネス
自宅のソーラー発電設備で電気自動車(EV)を充電する人が増えている。
AP通信によると、住宅や車庫の屋根に取り付けられたソーラー・パネルは、EVやプラグイン・ハイブリッド車(PHV)の充電には十分な量を発電できる。
ソーラー・パネルやEVへの投資は安くないが、同時に使えば数年で回収でき、化石燃料を全く使わない車に乗る喜びも得られる。
自動車情報のウォーズ・オートインフォバンク(Ward’s AutoInfoBank)によると、2013年の米EVおよびPHV販売は9万7563台と前年比で83%も伸びた。ソーラー・パネルの設置件数も2014年第2四半期に21%増加し、いまでは50万以上の住宅や企業がソーラー発電システムを所有している。
ギガOM誌のケビン・トフェル上席記者は、2011年にペンシルベニア州テルフォードの自宅に41枚のソーラー・パネルを設置した。総コストは5万1865ドルだったが、州や連邦の税控除で2万9205ドルになった。初年度はこれで13.8メガワット時(MWh)を発電したものの、一家は7.59MWh時しか使わなかったため、余分な電気を車に使えるよう、2012年には「アキュラRDX」からPHVの「シボレー・ボルト」に買い替えた。
年間走行距離は約1万5243マイルで、ボルトの消費電力は5.074MWh。アキュラに乗っていた時はガソリン代に月250ドル使っていたが、現在では補助エンジン用にガソリンを入れておくだけなので50ドルしか使わない。
ボルトの夜間充電には1.50ドルかかるが、その分は昼間に生産したソーラー電力を給電網に提供して生まれる利益でまかなっている。車の充電にも使うようになったことで、ソーラー投資の回収期間はそれまでの11.7年から6年に短縮されたと同氏は試算する。
しかし、ソーラー電力を使った車の充電がどんな家庭にも向いているわけではない。まず、屋根が南か南東を向いている必要があり、日光を遮る木があってはいけない。天窓や煙突が邪魔になる場合もある。
設置コストは8年前の1ワット(W)あたり8〜10ドルから現在は3ドル以下に下がったものの、大きな投資であることには変わりない。そのためソーラー設備販売企業にはリースを提供しているところもある。
自動車メーカーの奨励制度もあり、ホンダはソーラー設備大手ソーラーシティーを使ったパネルの設置に400ドルを提供している。
また、用途を車の充電に限定して小さなシステムを設置するという選択肢もある。たとえば、日産のEV「リーフ」で年間1万5000マイル走る場合、約4.5MWhを消費するため、250Wのパネルが18枚必要で、1万3500ドル(1Wあたり3ドル)の投資になる。
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