ADM、シンジェンタを提訴〜GMコーン推奨で多大な損害と
- 2014年11月21日
- 米国ビジネス
穀物メジャーのアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM、イリノイ州)は、中国政府から米国産遺伝子組み換え(GM)トウモロコシの輸入が許可されなかったとして、GM種子の販売元であるスイスの農業バイオテク大手シンジェンタに損害賠償を求める訴訟を起こした。
ウォールストリート・ジャーナルによると、ADMはルイジアナ州地裁に提出した訴状で、シンジェンタが中国政府による認可の確証がないままADMに米農家へのGMトウモロコシ販売を推奨したため、中国向けに輸出された作物が当局から輸入拒否されるまたは差し押さえられる事態となり、「多大な経済的損失と打撃」を被ったと主張している。賠償額は明示していないが、ADMは「1000万ドル単位」と話している
シンジェンタが2011年に米国とアルゼンチン、ブラジルで販売を開始したGMトウモロコシ「ビプテラ(Viptera)」をめぐっては、ADMの同業カーギルなども9月、シンジェンタを相手に損賠訴訟を起こした。
ADMによると、シンジェンタは米農務省に対し、今後はGMトウモロコシを他の品種と区別することで、認可に至っていない中国などに輸出する作物と混ざらないようにする方法を開発すると説明したものの、こうした措置は講じられなかったという。
10州以上の農家も今年、米国産トウモロコシの対中出荷量と価格が落ち込んだとして同社を提訴している。
シンジェンタによると、ビプテラは北米のトウモロコシ種子売上高の30%を占める。
トウモロコシの1〜9月の対中輸出量は、前年同期比87%減と落ち込んだほか、先物価格も収穫量の拡大を見越して約14%下落している。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ