ウーバー幹部が記者に報復?〜社の技術で行動追跡し嫌がらせ
- 2014年11月21日
- 米国ビジネス
携帯アプリケーションを使ったタクシーの配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズで、批判的なメディア関係者に対する幹部の言動が問題になっている。
AP通信によると、同社ニューヨーク支部長のジョシュ・モーラー氏は今月上旬、「ゴッド・ビュー(God View)」と呼ばれる同社のトラッキング機能を使ってニュース・ウェブサイト「バズフィード(BuzzFeed)」の記者の位置情報を追跡した疑いがある。
ウーバーは現在、社のプライバシー保護方針に反する行為がなかったか社内調査を進めているといい、「当社では顧客の個人データへのアクセスを正当なビジネス目的で使う場合に限定しており、規則に違反した社員は懲戒処分または解雇の対象となる可能性がある」と説明している。
バズフィードはこれより前、ウーバーの別の幹部が最近「ウーバーに批判的なジャーナリストは私生活を調査する」と脅迫したと報じた。その場に居合わせた有名ジャーナリストのマイケル・ウルフ氏が書いたUSAトゥデイのコラムによると、脅迫があったのはニューヨークで行われたディナー会。ウーバーのエミル・マイケル上席副社長がバズフィードのベン・スミス編集者に対して行ったという。
ディナーにはウーバーのトラビス・カラニック最高経営責任者(CEO)のほか、俳優のエド・ノートン氏、ニューヨーク・デイリーニューズのモート・ザッカーマン社主、ハフィントン・ポストのアリアナ・ハフィントンCEOなども列席していた。スミス氏はウルフ氏の招待で出席したが、会場での会話が全てオフレコであることを告げられていなかった。ウルフ氏によると、他の出席者のほとんどはマイケル氏とスミス氏のやりとりを聞いていないという。
マイケル氏は今週初めに発言を謝罪しており、カラニックCEOも同氏の発言について「リーダーシップや人間性に欠け、われわれの価値や理想からかけ離れている」などとツイッターでメッセージを発信しているが、ツイッターではウーバーのボイコット運動も始まっている。
配車サービス業界では、サイドカーやリフトなどの登場で急速に競合が激化しており、リフトを支援する投資家の中にはバズフィードに投資している人もいる。
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