VW、新しい蓄電技術に投資〜EVの航続距離3倍増の可能性も
- 2014年12月19日
- 自動車関連
フォルクスワーゲン(VW)が、電池製造の新興企業クアンタムスケープ(QuantumScape、カリフォルニア州)に資本参加したことが分かった。
ブルームバーグ通信が関係者の話として伝えたところによると、クアンタムの蓄電技術は火災が発生しにくく、電気自動車(EV)の航続距離を大幅に延ばす可能性があり、VWは「フォルクスワーゲン」部門のほか、傘下の「ポルシェ」や「アウディ」部門にも導入を検討している。
クアンタムの方式が自動車に使えるかどうか見極める試験は2015年半ばに終了する見通し。VWの米国部門はクアンタムの5%を入手し、さらに持ち分を拡大するオプションも取得したという。
EV市場で先行するテスラ・モーターズは、13年に「モデルS」セダンで火災が発生したことをきっかけに連邦当局から調査を受けており、VWが電池の容量や安全性を向上させられれば、テスラに対する競争力が高まる。
現在、多くのEVがリチウムイオン技術のような電解液を使う電池を導入しているが、 元スタンフォード大学の研究者が10年に設立したクアンタムが開発しているのは、固体電解質を用いた全固体電池で、発火しにくく、より多くの電気を蓄えEVの航続距離を大幅に拡張できる可能性がある。
VWのマルティン・ヴィンターコーン最高経営責任者(CEO)は11月にスタンフォード大学で行った講演で「この新技術には素晴らしい可能性があり、航続距離を700キロ(430マイル)まで伸ばすことも可能」と述べた。これはVWの小型車「ゴルフ」EV版の現行航続距離の3倍以上に当たる。テスラのモデルSは現在265マイル。
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