自動車業界、HDラジオに熱い視線〜15年、新車の約半数が採用

 音楽のストリーミング・サービスが台頭する中で、依然として健在なラジオの人気に自動車業界が注目している。

 オートモーティブ・ニューズによると、米国では2015年、新車の約半数がHDラジオを搭載する。HDラジオはデジタル放送だが、アナログと同じ周波数を使用できる。コンテンツも多彩で、リアルタイムの交通や天気情報も無料で提供する。

 国内ではHD放送が2200局に上り、このほかにデジタル専門が1500局ある。

 衛星ラジオやストリーミング・サービスが普及する中で、AM/FMラジオ時代の終焉を予想する声もある。HDラジオを開発したアイビクイティ・デジタル(iBiquity Digital、メリーランド州)のロバート・ストゥルーブル最高経営責任者(CEO)は「どちらかといえば、ラジオはより定着してきていると思う」と語った。アイビクイティは富士通テン、クラリオン、ハーマンなどにライセンスを供与している。

 調査会社ニールセンによると、米国民の90%以上が週に1度以上ラジオを視聴しており、その割合はデジタル音楽が台頭する以前と比べて数パーセントしか低下していない。

 アイビクイティによると、20年までには実質的に、国内で販売される車両全てに同社製ソフトが搭載される見通しだ。HDラジオ関連で約150件の特許を保有するアイビクイティは、ソフトをテキサス・インスツルメンツかNXPセミコンダクター製のチップに搭載しており、コストも05年の1台あたり約100ドルから5〜25ドルまで低下した。

 HDラジオはBMW、メルセデスベンツ、ボルボ、サイオンが標準装備している。約2年おきに情報娯楽システムを更新するサイオンは、11年にHDラジオを採用し、今夏に7.1型タッチパネルの新システムを「FR-S」クーペでデビューさせる。

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