東海岸で貨物倉庫が不足〜パナマ運河拡張で一層深刻に?
- 2015年7月30日
- 米国ビジネス
東海岸の港湾では、パナマ運河の拡張に伴い貨物の取扱量が劇的に増えると予想されているが、倉庫スペースが不足している。
ウォールストリート・ジャーナルによると、現在東海岸の港湾に接岸できる最大の貨物船は1万TEU(1TEU=20フィート・コンテナ1個分)弱だが、2016年4月に拡張されたパナマ運河の供用が始まれば1万8000TEU規模の船が航行可能にになり、アジアからの超大型船が直接東海岸を目指せるようになる。
これに備えて東海岸の各自治体は、港をより深くし、橋を高くするなど巨額を投じてインフラ改善に取り組んでいる。しかし、主要港湾周辺の倉庫スペースは供給が追いついておらず、不動産大手CBREのまとめによると、スペースの総量は12〜14年にわずか1.2%しか増えておらず、既存スペースのうち空きまたは近く空きとなる割合を示す可用率は平均14.6%から11.3%に低下している。
港の貨物取扱量はすでに過去最高に達しており、貿易統計サービスのゼポル(Zepol)によると、東海岸の上位11港では13〜14年に9.6%増加、15年6月末は前年同期比10.5%も増加している。
一方、商業用不動産ブローカーJLLは「米国の主要港周辺にある倉庫は消費者用品などの貨物であふれかえっており、占有率は歴史的な高水準に達し、07年の不動産ブーム時を超えている」と報告している。さらに、特にニューヨーク、ニュージャージー州では港湾に近い集積所のほとんどは建物が築60年に近く、時代遅れで現在の用途には適さないが、周辺に土地がないため新しい施設の開発は港から遠い内陸部になるという。
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