電子書籍販売が低迷〜印刷本復活の兆し

 ここ数年出版業界の脅威となっていた電子書籍の売り上げが急激に鈍化し、印刷本の人気が復活している。

 ニューヨーク・タイムズによると、電子書籍は2008年から10年までに売上高が1260%上昇し、その陰で印刷本の販売は落ち込み、書店は事業の継続に苦戦し、出版元や著者は安い電子書籍の普及による利益の減少を恐れた。そして11年には書店大手ボーダーズが倒産し、業界の不安が現実となった。

 しかし、専門家の間で15年までに印刷本を追い抜くと予想された電子書籍は、ことし1〜5月の販売が前年同期比10%減となった(米出版者協会調べ)。14年の市場シェアも約20%と、数年前から横ばいだった。

 電子書籍人気の低下は、出版業界が音楽やテレビなど他業界と比べ、デジタル技術の荒波を乗り切る力があることを示している可能性がある。実際、ネットフリックスやパンドラなどをモデルにした電子書籍購読サービスの中には、会員の獲得に苦戦して事業を閉鎖したところもある。

 電子書籍リーダーを通じた販売も、消費者がタブレットやスマートフォンに流れる中で落ち込んでいる。複数の調査では、デジタル技術に囲まれて育った若年世代でも紙媒体を好むというデータもある。

 数年前にはリセッションや通販大手アマゾンとの競争に苦しんだ独立系の書店も、ここに来て息を吹き返している。米書店協会(ABA)によると、加盟書店数は5年前の1410店から15年は1712店に増加した。

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