GE、英輸出金融公社から120億ドルの融資確保

 複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)はこのほど、英国の輸出金融公社UKエクスポート・ファイナンス(UKEF)から最大120億ドルの融資を受けることで合意した。英国内で1000人の雇用を創出する可能性があるという。

 ロイター通信によると、今回の合意は米国の輸出入銀行が機能していないことへの米業者の不満の表れとも受け止められる。輸出入銀は米輸出業者の海外顧客に融資する機関だが、連邦議会の党派対立で6月末の認可延長が行われず、新規案件を扱えない状態が続いている。

 GEはすでに輸出金融の不足を理由に雇用を海外に移しており、航空機大手ボーイングも追随する可能性がある。

 GEが英国で取り付けた融資枠は、ブラジル、ガーナ、インド、モザンビークといった国で石油やガスなどエネルギー・プロジェクトを受注する際の資金的裏付けになる。ジェフ・イメルト最高経営責任者(CEO)は声明で、英国を「輸出や製造業を支援している」と持ち上げながら、「競争が厳しい現在の環境では、輸出金融機関が機能している国が投資を引きつける」と強調した。

 GEは最近、輸出金融の不足を理由に500人の発電用タービン製造雇用を欧州や中国に移す計画を発表したほか、新しいターボプロップ・エンジン開発センターの建設候補地から米国を外し、欧州を選択した。ボーイングのジム・マクナニー最高経営責任者(CEO)も「輸出入銀行の融資が認められなければ、業務を海外に移すことが避けられなくなる」と発言している。

 ブルッキングス研究所のエコノミストは今回のGEの合意を、政府の反応を見るための動きと見ており「連邦政府がこれに反応しなければ、同様の動きが大規模に広がる」と予想している。

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