薬を55倍値上げ、批判で撤回〜チューリング、業界は冷やか

 ニューヨーク州の小さな製薬会社チューリング・ファーマスーティカルズ(Turing Pharmaceuticals)はこのほど、感染症治療薬ダラプリム(Daraprim、一般名ピリメタミン)の価格を一挙に55倍引き上げたものの、患者や医療関係者など多方面からの強い批判を受けて値下げに踏み切った。

 ロイター通信によると、ダラプリムは寄生虫感染症の治療薬として62年前から存在し、かつては1錠1ドルで売られていたこともあるが、チューリングは今年8月にカリフォルニア州の製薬会社インパックス・ラボラトリーズ(Impax Laboratories)から同薬の販売権を買い取り、その後1錠13.5ドルから750ドルに値上げした。

 チューリングのマーティン・シュクレリ最高経営責任者(CEO)は、22日のABCワールド・ニュース・トゥナイトで「より入手しやすく、会社もわずかに利益を出せる水準まで値下げすることにした。歓迎される変更だと思う」と語った。

 製薬業界のロビー組織である米国研究製薬工業協会(PhRMA)は、値下げ発表前にツイッターで「チューリングは加盟社とは価値観が異なる」というメッセージを発信して同社と距離を置いた。さらに「PhRMA会員は長年、多くの患者の延命と生の改善につながる薬の発見や開発に取り組んできた。チューリングはPhRMAの会員ではなく、PhRMAは同社の最近の動きやCEOの品行を擁護しない」との声明を発表した。

 シュクレリCEOは、CNBCによる21日のインタビューでは「ダラプリムの値段は安すぎ、会社は新しい研究・開発に資金を投じるために利益を上げる必要がある」と主張し、反発を受けて値下げする可能性はあるかとの質問には、ただ「ノー」と答えていた。

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