米大教授にノーベル経済賞 格差の仕組み解明

 スウェーデンの王立科学アカデミーは12日、2015年のノーベル経済学賞を、プリンストン大のアンガス・ディートン教授(69)に授与すると発表した。授賞理由は消費と貧困、福祉の分析。日本では著書「大脱出」(みすず書房)が出版されており、同書房によると、格差の背後にあるメカニズムを解き明かした。

 ディートン氏は貧困を減らし、幸福感を得る生活を実現するには消費行動の理解が必要だと指摘した。欧州の付加価値税(日本の消費税に相当)などの政策運営に影響を与えたとされる。アカデミーは「世界的な格差拡大が心配だ」と強調し、格差是正への取り組みに期待感を示した。

 ディートン氏らの研究チームは10年、収入増加で生活の満足感が上がるのは「年収約7万5000ドル(約900万円)まで」との調査結果を発表。「お金で幸せまでは買えない」と結論付けた。(共同)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る