宅配荷物の現在位置を可視化する追跡技術は、少なくとも消費者の観点からでは1990年代半ばからあまり進歩していない。
宅配業者のウェブサイトで荷物追跡番号を入力すると、倉庫から出荷された荷物はいつまでたっても「配送中」と表示され、どこかで遅延や問題が生じていても消費者は知る由もないのが現状だ。
宅配予定時間についても、「正午から午後4時のあいだ」と精度に欠けるため、消費者はその間、自宅待機を強いられることもある。
配達物追跡のそういった非効率を解消する目的で、追跡番号に代わるさまざまの技術が最近開発されている。
新興企業向けマーケティング・サービス会社ランキー(Ranky)のヨーヴ・ヴィルナー最高経営責任者(CEO)がフォーブス誌に寄稿した記事によると、それらの技術の一つとして、オンデマンド・クーリエ・サービスを提供するブリング(Bringg)やポストメイツ(Postmates)の技術プラットフォームがある。
オンデマンド・クーリエ・サービスとは基本的に、リアルタイムでの配達物追跡を宅配業者に提供するサービスで、何十種類という多種多様の追跡サービスがある。
ブリングは、流通(配送センター間の荷物やり取り)と配達を他社に任せず自社で管理したいと考える宅配業者を標的市場とする。宅配業者はブリングのサービスを採用すれば配達経過を社内管理でき、それによって「本物の」配達物追跡機能と顧客サービスを利用客に提供できる。
また、現状の追跡技術の問題点として、実際に荷物を届ける担当者に連絡を取る方法がないことが挙げられる。フェデックスの場合、担当者(配送トラックの運転手)の電話番号を記録しておらず、ほかの社員が運転手に連絡を取りたくても、運転手が流通センターに戻るまでは何もできない。
そういった問題も、オンデマンド・クーリエ・サービスを採用することで解消できる。
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