企業は気象状況が事業に与える影響を理解し、売り上げや需要変動をより正確に予測する必要がある。
マニュファクチャリング・ビジネス・テクノロジー誌によると、気象状況といった外部要因が事業に与える影響は大きく、ハーバード・ビジネス・レヴュー誌は、企業業績の85%が外部要因の影響を受けているという調査結果を示している。
調査会社ガートナーによると、そういった外部要因を特定した製造業者の場合、そうでない業者よりも株主の資本利益率が平均で5%以上高い。在庫ならびに運転資本管理を最適化し、予測精度をわずか1%改善するだけで、平均的製造業者は数百万ドルの業績改善効果を期待できるという。
販売および需要予測の改善は、社内業務の効率化と、時間や経費節約につながり、天候は需要だけでなく、部品や材料調達にも大きな影響をもたらす。
出荷や製造面への天候の影響を理解し、たとえば降雪のために道路が閉鎖された場合には、さまざまの状況を想定して供給網対策を講じておけば、出荷遅れや工場閉鎖といった事態を避けることも可能になる。
さらに、天候に関する外部要因を業務予測に統合することで、企業は市場動向に関する潜在的脅威を判断し、リスク管理に役立てることができる。
たとえば、建築用製品と被覆材製造業者の場合、建築現場の作業遅れは製品売り上げに直接影響する。現場の遅れをより正確に予測し、また、遅れによる影響を正確に理解できれば、変動する製品需要に、より柔軟に対応することが可能になる。
KPMGインターナショナルとエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(Economist Intelligence Unit)によると、ほとんどの上場企業の四半期予測には13%のずれがあり、金額にすると年間2000億ドルの売り上げ損失が生じている。
そういった予測精度の低さは、企業が不完全な情報をもとに売り上げと需要予測を作成し、供給網と製造を管理しているからにほかならない。
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