アマゾンとマイクロソフト、デジタル地図事業に参加か 〜 独自動車連合と協議

 アマゾン(Amazon)は、高画質デジタル地図事業のヒア(HERE)に資本参加することを検討している。

 BMWとアウディ、メルセデス・ベンツで構成される独自動車メーカー連合は、自動運転車開発計画の一環として、フィンランドのノキアから2015年8月に25億ユーロでヒアを買収することで合意している。

 ロイター通信によると、同連合はその後、自動車業界を中心に新たな出資会社を探しており、アマゾンが出資に興味を持っている、と匿名希望の関係筋が明らかにした。

 同連合は、多くの車に搭載されている各種の検知器から収集したデータを使って交通情報や道路状況の最新更新内容をデジタル地図に反映させるクラウド電算プラットフォームを必要としており、クラウド・サービス世界最大手のアマゾンはその提供社としても有力視されている。

 ヒアへの投資は、アマゾンにとっても戦略的に理にかなっている。アマゾンは欧米の大都市で1〜2時間の配達サービスを始めたばかり。アマゾンは、物流や配送の事業で競合社に対抗するためにリアルタイムかつ正確なデジタル地図を必要としている。

 連合側にとっては、資本提携社が増えれば負担額を軽減できるだけでなく、それがアマゾンのようなクラウド・サービス大手であれば、走行中の車からリアルタイム情報を地図に無線で供給できるデータ量を増やすことも簡便化できるという利点がある。

 一方、マイクロソフト(Microsoft)もヒアに参加する可能性が新たに浮上した。ただ、マイクロソフトは投資せずにクラウド・サービス・プラットフォームを提供する方向で協議している、と匿名希望の関係筋が話している。

 協議がまとまれば、アマゾンとマイクロソフトの両社がヒアにクラウド・サービスを提供し、アマゾンはそれに加えて資本参加もすることになる。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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