カナダの男性用高級服飾店ガットスタイル(Gotstyle)は、多忙で洋服選びの時間も惜しむビジネスマンを対象に、従来の店舗展開にデジタル技術の便利さと個人化サービスを組み合わせた「将来の小売店」の構築を目指している。
フォーブス誌が掲載したリバ・リッチモンド氏の寄稿記事によると、ガットスタイルのメリッサ・オーストリア創業者は現在、小売店向け技術を提供する多くの技術系企業と各種製品の試験導入や価格について交渉を進めている。
リッチモンド氏は、女性起業家を支援する非営利団体ストーリー・エクスチェンジ(Story Exchange)のデジタル・メディア部長。
2005年創業のガットスタイルは現在、トロントで2店舗を展開し、約20人の従業員を雇い、年商約550万カナダ・ドルとまだ中小規模だが、大手チェーン店では難しい新技術の迅速導入をすぐに実行する敏捷さによって革新をもたらすことができる、とオーストリア氏は話す。
ガットスタイルは、ルコヴァ(Lucova)が開発したモバイル決済用アプリケーションを1年半前に導入した。消費者は顧客ポイントを自動的に貯めることができるほか、店舗側は顧客の購入履歴データや顧客が選んだ洋服の画像データにもとづいて、洋服のサイズや好みといった顧客情報を作成できる。
同アプリケーションは、2000人以上の消費者によってすでにダウンロードされたという。
オーストリア氏は、消費者が店舗ウェブサイトで洋服を選び、店舗で試着できるようにするサービスも計画中だ。来店時間を予約できるので、消費者は店舗での待ち時間をなくせるという利点がある。
地元消費者に限定してオンライン購入から2時間以内の宅配サービスも試験運用中だ。さらに、将来には、顧客の購入履歴データにもとづき、その日に着る洋服の組み合わせを、その日の仕事の予定も考慮したうえで提案するサービスの提供を計画している。
ガットスタイルは、仕入れや店内展示方法の決定、店内顧客サービスの強化、販促の最適化にもデータの活用を始めている。
同社はたとえば、ターンスタイル(Turnstyle)のデータ解析サービスを利用して電子メール販促を実施した。最低2000ドルの購入履歴はあるが過去6ヵ月間での購入がゼロの顧客を対象に割り引きを提供するメッセージを送ったところ、2週間で約30人が来店し、3万ドルを売り上げたという。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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