大統領候補の討論会で共和党のドナルド・トランプ氏から雇用を海外に移そうする米企業の代表扱いされたフォードが、さまざまなメディアを通じて自社を弁護している。
ウォールストリート・ジャーナルによると、討論会があった26日夜以降、上級エンジニアを含む同社社員は、「フォードはこの5年間に国内工場に120億ドルを投資し、約2万8000人の雇用を生んだ」といった主張や米製造業へのフォードの貢献を伝える地元メディアの記事をソーシャルメディアで配信するなどして、フォードが米国の企業であることを強調している。
トランプ氏は以前から、北米自由貿易協定(NAFTA)を批判し、米製造業の基盤縮小を印象付ける例の1つとしてフォードの対メキシコ投資を挙げてきた。傍観を続けたフォードも最近は直接反応するようになり、マーク・フィールズ最高経営責任者(CEO)がテレビ各社のインタビューを受けるなどして「米国の雇用や投資に関するフォードの事実を共有している」(広報担当者)。
トランプ氏は民主候補ヒラリー・クリントン氏との討論会で、小型車の生産を本拠地ミシガン州から移すというフォードの決定を、米メーカーによるオフショアリング(生産の海外移管)の例として挙げた。さらにフォードなどがメキシコで生産した車などを輸入する際には35%の関税を課すことを提案している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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