メキシコ業界、NAFTA死守へ対トランプで結束

 北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉や協定からの脱退を公約にしたトランプ次期大統領に対し、メキシコ自動車業界が就任後の交渉に備えて一致団結している。
 
 オートモーティブ・ニュースによると、業界関係者は関連データや経済分析を吟味した結果、NAFTAの維持が米国にとって脱退より大きな利益をもたらすとの結論に達した。メキシコは米国とカナダの競合相手よりもむしろ、グローバル競争の時代にあって補完役を務めているという認識だ。北米自動車業界への大きな打撃なしでは引き裂けないほどNAFTAによって密接な関係が築かれたという主張を武器に、ビジネスマンでもあるトランプ氏を説得できるとの自信がある。
 
 政府で貿易交渉役を務めたメキシコ自工会のエドゥアード・ソリス会長は、メキシコ対米国ではなく、北米対他地域の文脈で考察する必要がある、と語った。
 
 部品工業会のオスカー・アルビン代表も、世界の車両生産地域はいずれも人件費が安い国に依存していると説明。米国がNAFTAから脱退すれば、メキシコで生産を続けるアジアや欧州メーカーに対して劣勢を強いられると警告した。
 
 ある業界関係者は会合で記者団に対し、トランプ氏が米空調大手キャリアと国内雇用維持で合意したことに言及。トランプ氏が1000人分の雇用の流出を食い止めたという印象が伝わる裏で、実際にはキャリヤが数百人分の雇用をメキシコに移すことを認める妥協もあったと指摘した。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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