北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉や協定からの脱退を公約にしたトランプ次期大統領に対し、メキシコ自動車業界が就任後の交渉に備えて一致団結している。
オートモーティブ・ニュースによると、業界関係者は関連データや経済分析を吟味した結果、NAFTAの維持が米国にとって脱退より大きな利益をもたらすとの結論に達した。メキシコは米国とカナダの競合相手よりもむしろ、グローバル競争の時代にあって補完役を務めているという認識だ。北米自動車業界への大きな打撃なしでは引き裂けないほどNAFTAによって密接な関係が築かれたという主張を武器に、ビジネスマンでもあるトランプ氏を説得できるとの自信がある。
政府で貿易交渉役を務めたメキシコ自工会のエドゥアード・ソリス会長は、メキシコ対米国ではなく、北米対他地域の文脈で考察する必要がある、と語った。
部品工業会のオスカー・アルビン代表も、世界の車両生産地域はいずれも人件費が安い国に依存していると説明。米国がNAFTAから脱退すれば、メキシコで生産を続けるアジアや欧州メーカーに対して劣勢を強いられると警告した。
ある業界関係者は会合で記者団に対し、トランプ氏が米空調大手キャリアと国内雇用維持で合意したことに言及。トランプ氏が1000人分の雇用の流出を食い止めたという印象が伝わる裏で、実際にはキャリヤが数百人分の雇用をメキシコに移すことを認める妥協もあったと指摘した。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集
-
2024年4月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 自動車関連
中国の自動車メーカー、慣行覆しEV生産を迅速化
-
2024年3月28日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ウェイモ、テキサス州で社員向けロボタクシー運行
-
ハーバード大、急速充電が可能なリチウム金属電池を開発
-
2024年3月21日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
6割がブランドより接続性重視~EVドライバー調査、マッキンゼー
-
2024年3月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
少しの「つながる車」情報で信号機のタイミング調整