オンライン店向けに翌日配送〜フレックスが新サービス提供

 倉庫スペースのオンライン取引所を運営するフレックス(Flexe、本社ワシントン州)は、オンライン小売店を対象に全米翌日配送サービスの提供を始めた。
 
 ウォールストリート・ジャーナルによると、同社は在庫の置き場所を必要とする小売店に倉庫スペースを提供しており、全米に550カ所以上のオンディマンド・サービス施設ネットワークを持っている。2016年は注文履行サービスも始め、必要に応じて関連投資を拡張または契約できる柔軟性を客に提供している。
 
 新サービスは、オンライン小売り大手アマゾンのような配送ネットワークを構築する資金のない企業を対象にする。カール・シーブレクトCEOは「当社は今、すべての主要都市またはそれに次ぐ市場に倉庫を持つ規模になった」と話す。同社の注文履行サービス利用客は平均6〜8カ所の倉庫を利用しているが、それでも全米を対象に翌日配送を行うのは無理で、実現するには16カ所の倉庫を使う必要があるという。
 
 フレックスは顧客の代理として配送料の交渉をすることはなく、サービス利用業者は独自で運送業者と契約するか、注文品を梱包するウェアハウス業者が提示する料金、またはフレックスが運送業者と契約している料金のいずれかを選ぶ。
 
 近年、アマゾンなどのオンライン小売店は倉庫を急速に増やし、人口が集中する地区の近くに商品を置いて2日以内に注文品を届けられる体制を築いている。アマゾンは、自社サイトで商品を販売する業者向けに在庫の保管と配達を提供するサードパーティ注文履行サービス事業も拡張しているが、商品配達ではアマゾンのシステムを使いたくないという業者もあり、そうした企業を対象とするサービスや小口の配送注文をまとめて配送会社と料金を交渉する新ビジネスが生まれている。
 
 SJコンサルティング・グループのサティッシュ・ジンデル社長は、フレックスの新サービスに関して「アマゾンほど安いはずはない」と見ているが、トランスポーテーション・インサイトのポール・トンプソン会長は「自分のブランドをアマゾンに渡したくない企業は興味を示す可能性がある」と指摘。アマゾンが提示する料金が上がるにつれて、こうしたサービスを提供する企業は増えると見ている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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