ニューヨーク州で2017年3月に始まった環境対応車(エコカー)の購入者優遇 制度「ドライブ・クリーン・リベート」の効果で、同州のエコカー販売が前年比 で74%も増加している。
エレクトリック・カーズ・リポートによると、優遇制度では、加盟ディーラー からエコカーを購入した州民に最高2000ドルのリベート(割戻)を提供してい る。制度を運営する州エネルギー研究開発局は、最初の5カ月間(3〜8月)に 2300件以上のリベート申請を受理し、26種類のEVの購入またはリースに300万ド ル以上のリベートを提供した。
最も人気がある車種はプラグイン・ハイブリッド車(PHV)「トヨタ・プリウ ス・プライム」で、リベート全体の40%以上を占めている。以下、電気自動車 (EV)「シボレー・ボルト(Bolt)」(12%)、PHV「シボレー・ボルト (Volt)」(10%)、同「フォード・フュージョン・エナジー」(10%)と続き、 ほとんどの購入者が1100ドル以上のリベートを受け取った。
地域別では、8月末までに提出された2332件の申請のうち約33%(779件)がロ ングアイランド地区(ナッソー、サフォーク郡)の住民によるもので、ハドソン 中部地区の17.3%(404件)、州都地区の12%(276件)、フィンガーレイク地区の 11%(251件)と続いた。
ニューヨーク州では、温室効果ガス(GHG) 排出量の最大構成比を交通・運輸 部門が占めている。リベート制度の対象車を購入することで減らせる二酸化炭素 (CO2)の排出量は年間11万5000トンと推定され、これは内燃エンジン車を2万 4000台減らすことに等しい。
リベート制度は、EVの販売を促進し、EV市場に勢いを与えて価格低下を促す目 的で始まった。7000万ドルの予算のうち5500万ドルはEV、PHV、燃料電池車 (FCV)購入者へのリベート支給に、1500万ドルはEVやその利点に関する消費者 の啓発、充電網の拡大、新しいEV関連技術の開発や実験、その他のEV普及のため の取り組みに充てられる。
アンドリュー・クオモ知事は、EVの利用促進によって30年までに州のGHG排出 量を1990年比で40%削減するという目標を掲げており、17年初頭には充電ステー ションの設置や社員にEVの利用を促進する雇用主に奨励金を出すといったキャン ペーンも発表している。充電所は18年までに3000件まで増やすことを目指しており、州内縦貫道路ニュ ーヨーク・ステイト・スルーウェイ沿いの施設建設も予定している。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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