インドネシアのジャカルタ拠点のイーヴォウェア(Evoware)は、海草を原料とする 食べられるバイオプラスチックの実用化に向けて試験中だ。
グリーンビズ誌によると、同社は、エレン・マッカーサー財団が主催する「サーキュ ラー・デザイン・チャレンジ(循環経済設計競争)」で選ばれた6社のうちの1社で、イ ンドネシアで養殖される海草を包装資材に使えるようにするための試験を行っている。 「特に包装資材におけるプラスチックの使用を減らすことが当社の目標だ」と、イー ヴォウェアの共同設立者エドウィン・オルドリン・タン氏は話す。
開発中のバイオプラスチックは現在、プロテイン・バーやハンバーガーを包む袋に試 用されており、包装袋ごと食べることができる。また、茶葉や即席麺、シリアルといっ た乾燥食品向けの用途では、水に溶かせる包装袋になる。さらに、石けんや生理用品向 けの包装資材では生物分解される。
もう一人の共同設立者のデイヴィッド・クリスチャン氏は、海草を原料とする資材開 発の実験を約2年前に開始した。当初には、使い捨てカップの代替材料の開発に取り組 み、その結果、エロ・ジェロ(Ello Jello)という商品名の食べられるカップを2016年 4月に発売した。
海草をバイオプラスチックの原料にするという発想は、かならずしも新しいものでは ない。海草に含まれる多糖類に関する研究は、10年以上前から行われてきた。イーヴォ ウェアの設立者らは、世界第2位の海洋汚染国というインドネシアの汚名を返上し(1位 は中国)、また海草生産者の生計を助けることを目的として、海草を利用することにし た。
乾燥した海草40トンを生産するには、1ヘクタールの養殖場が必要になる。それによ って二酸化炭素20.7トンを吸収できる。同社は、ボルネオ島の東にあるスラウェシ島で 海草を生産している。
海草を処理する工程は、少なくとも現時点ではかなりの手作業だ。海草を乾燥させ、 整形および圧縮、そして裁断する。保存料不使用の場合、賞味期限は2年ほどだ。
タン氏によると、試験中の食べられる包装資材は無味無臭で、表面はプラスチックの ように滑らかで、内側はザラザラしている。厚さは調整可能。
実用化にあたっての今後の課題は価格だ。同社は、価格を下げるために大量生産の準 備を進めている。同社は現在、食品メーカーからの大量受注獲得を目指して、米国や欧 州の企業に商品見本を送っている。
【https://www.greenbiz.com/article/edible-packaging-will-make-you-reconsider- seaweed】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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