米消費者の間で電気自動車(EV)の購買意欲が高まっていることが、全米自動車協会(AAA)の最新調査で分かった。
■維持費の安さや最新機能
エレクトリック・カーズ・リポートによると、AAA調査では、運転免許取得者の20%に相当する5000万人が「次に購入する車はEVにする可能性が高い」と答え、2017年の15%から大幅に増えた。AAAはEVの長所として、所有コストが平均より安い、航続距離が伸びた、先進安全機能が搭載されている…などを挙げている。
AAAのグレッグ・ブラノン自動車工学ディレクターは「今やEVは主流を引き付ける魅力を持っている。購入動機の大部分は依然として環境に優しいところだが、米ドライバーは長期的なコストの低さや、多くのEVで提供されている最新機能にも引かれている」という。
■レンジ不安もかなり緩和
米国人のEV評価が高まっている要因の1つは、航続距離に関する不安の緩和だ。「次の車にEVを選ばない」という人が挙げた理由は、「充電施設が不十分」が63%(17年から6ポイント低下)、「走行中の電池切れが心配」が58%(同10ポイント低下)だった。ただ、航続距離に関する不安の度合いは世代によって異なり、X世代は64%、ベビーブーマー世代は66%だったのに対し、Y世代(ミレニアル)は48%にとどまっている。
EVやハイブリッド車(HV)を買うつもりがある人のうち、重要な判断基準として「航続距離」を挙げたのは87%に上ったが、それより高い92%が「信頼性」を挙げた。また、衝突事故安全調査の結果(77%)、コスト(71%)、加速やハンドリング(69%)、自動緊急ブレーキや車線逸脱防止システムのような先進安全技術(60%)を挙げる人も多かった。
これに対し、スタイル、色、デザインが最も重要と考える人は34%と少なく、車のブランドを挙げる人は33%だった。
いずれにしても、EVが大規模に普及するには適切なインフラの構築が不可欠になる。国内の充電ステーション数は18年現在で1万6000カ所を超えているが、外出中に充電する場合の妥当な待ち時間としては68%が「30分以下」と考えており、現実との間に差がある。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
■「モデルX」が高評価以下は、AAAが評価した18年の「Top Green Vehicle」(左は区分、右は車種)。
全体:テスラ・モデルX 75D
サブコンパクトカー:シボレー・ボルトEVプレミア
コンパクトカー:日産リーフSL
中型車:BMW530e iパフォーマンス大型車:テスラ・モデルS 75
ピックアップ・トラック:フォード・F-150 4×4 XLT スポーツSUV/ミニバン:テスラ・モデルX 75D
3万ドル未満のベストカー:キア・ニロ LX
3万〜5万ドルのベストカー:シボレー・ボルトEVプレミア
5万ドル以上のベストカー:テスラ・モデルX 75D
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