新型コロナウイルス感染症の大流行(パンデミック)を背景に、人との物理的接触がないデジタル決済の利用が拡大しており、今後も定着する可能性がある。クレジット・カード決済サービス大手ビザ(Visa)が最新のグローバル報告書「バック・トゥ・ビジネス(Back to Business)」のなかで明らかにした。
テッククランチ誌が掲載したビザのジェック・フォレステル最高商品責任者(CPO)の寄稿記事によると、同調査では、世界の消費者の78%がパンデミックを受けて買い物での支払い行動を変えたと回答した。その大部分は、オンライン買い物や非接触支払いシステムをできるかぎり利用し、現金のやり取りを極力避けるようになった、と回答した。
米国ではビザ・カード利用者の電子商取引利用がパンデミックによって増えており、特に小売店やレストラン関連での利用がパンデミック前と比べて30%増加した。
米国以外では、ビザを使った取り引きの60%以上が非接触決済手段またはクレジット・カードの物理的やり取りをともなわない決済手段で実行されており、マスク着用や手の消毒と同様にウイルス感染防止策として非接触決済が重視されていることがあらためてわかった。
フォレステルCPOによると、非接触決済は導入が簡単で、かつ消費者にとっては迅速で安全また便利な決済手段として、パンデミック収束後も普及が加速し、最終的に決済手段を恒久的に変えると予想される。
決済体験の改善は、中小企業の経済的回復の一助としても注目される。ビザの調査では、消費者の48%は、人や端末との接触が必要な決済手段しか用意していない店舗を利用しないと答えた。また、ほぼ3分の2は、非接触決済手段を導入した店舗に購入先を切り替えると回答した。
ビザ・ダイレクト(Visa Direct)は、小売業者と消費者のそういった要望に効率的に応えるサービスだ。ビザが最近開始した同サービスは、個人が入金と送金処理を迅速かつ簡単に実行でき、中小企業は事業継続に欠かせない資金への迅速なアクセスが可能になる。
パンデミックで影響を受けた中小企業のニーズに応えるために、ビザは世界のフィンテック新興企業に投資し、革新的ソリューション開発を支援する制度も立ち上げている。
同社はさらに、交通機関向け非接触決済分野にも進出しており、現在、500以上の計画を推進中だ。今回のパンデミックが発生したあとだけでもブリュッセルや香港を含む世界の主要都市と非接触決済ソリューションの導入で提携している。
【techcrunch.com/sponsor/visa/contactless-commerce-not-just-covid-19-trend/】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
米政府、最新の対中技術輸出制限強化策を発動 〜 外国直接製品規則ではオランダ製と日本製は免除
-
使っていない古いアカウントが情報漏洩のリスクに 〜 削除方法は三つ、自分が知らないアカウントも発見
-
2024年11月28日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
飲食店向けロボットは雇用を脅かさない 〜 チポートレ、「協働型」の自動化で分業に照準
-
大富豪マーク・キューバン氏、医薬品業界に風穴を 〜 価格つり上げに激怒、処方薬直販サイトを立ち上げ
-
米実業界、トランプ次期政権に備える 〜 関税や人工知能規制での影響を視野に
-
2024年11月21日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス, 自動車関連
EV充電網の整備進まず~販売失速の要因となる恐れも
-
2024年11月19日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ウェイモ、ロボタクシー・サービスをロサンジェルス全域で提供 〜 過去最大の拡大、3都市で全域利用可能に
-
公共ワイファイ利用の危険性がさらに高まる 〜 「悪魔の双子」攻撃でログイン情報が盗まれる
-
ボストン・ダイナミクスの犬型ロボット、トランプ次期大統領の警護に 〜 フロリダの邸宅敷地内を巡回
-
ズィップリクルーター、人工知能基盤のズィップイントロを発表 〜 求人内容と求職者らを自動照合し遠隔面接を調整