シスコ(Cisco)は12月7日、動画会議ツールを開発するスライド(Slido)を買収すると発表した。
テッククランチ誌によると、スライドの技術は、大規模の仮想会議と生催事において参加者とのやりとりや質問を管理できるようにする。
スロバキア拠点のスライドは、ピッチブック(PitchBook)が報じたところでは、 2013年の設立以来の外部資金調達額がわずか4万ドル前後という零細新興企業だ。同社はそれでも、法人市場において独自の地位を築き、会議参加者からの質疑応答を管理するのにおもに使われてきた。テッククランチの催事でも使われたことがある。これまでに700万人の利用者を集め、利益を出している。
シスコによるスライド買収は、シスコの動画会議製品「ウェベックス(WebEx)」の事業部門が実行したもの。買収手続きは2021年5月に完了する見込み。
スライドは、質疑応答の部分に焦点をあわせたという点で特徴がある。ほとんどの動画会議プラットフォームには、テキストを入力してチャットできる機能が備わっており、会議参加者らはそれを使ってそれぞれに質問できる。生催事では、質疑応答中にマイクロフォンを回して、参加者らが質問できるようにすることが多い。それらの方法は、参加者が多い会議ではあまり効率的ではない。
スライドのソリューションは、メインの催事が進行するあいだに参加者らの質問に対してほかの参加者らが投票することで、質問の優先順位を決められる。進行役が手早く投票を設定して、その結果をリアルタイムで見られる。
シスコは、同機能をウェベックスに直接統合する予定だ。スライドがウェベックス専用の機能になるわけではなく、ほかのツールでも使える製品を今後も提供し続ける。
シスコは、スライド買収の発表と同じ日にIMIモバイル(IMImobile)を買収することも発表した。買収額は7億2000万ドル。英国拠点のIMIモバイルは、顧客との関係性を強化する技術ソリューションを開発している。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集