天然ガス、石炭王国オハイオの脅威に
- 2013年3月14日
- 米国ビジネス
過去200年以上にわたって石炭が産業の主役だったオハイオ州で、天然ガスが急速に台頭している。
ロサンゼルス・タイムズによると、国内では過去5年間で、天然ガス採掘業がペンシルバニアやウェストバージニア、オハイオなどの炭田地帯に進出した。田舎を中心に土地をガス業者に貸す人が増え、これまで石炭を発電所の燃料にしてきた大手電力会社が天然ガスに転換し始めている。
全米炭鉱労組(UMWA)に所属するティム・メリマン氏(58)は最近、オハイオ州ベルエアの支部集会所で「将来が心配だ。天然ガスはわれわれの脅威だよ」と話した。業界では30年間低迷が続き、オハイオはウェストバージニアとともに生き延びてはいるものの、氏は一方で幸運を喜びつつ、最近の天然ガスの台頭を強く気にしている。
天然ガスの隆盛は地域経済に雇用と収入をもたらす一方、地方都市の家賃を上昇させ、トラックの往来などで道路にひびを入れ、資源開発の利権をめぐる訴訟を続発させている。環境や公衆衛生上の懸念も生まれている。
オハイオ石油・ガス協会のトーマス・スチュワート副会長は「つい最近まで、石炭は王者で天然ガスは邪魔者だった。それが企業が燃料を転換し始めた現在、石炭はかなり効率性が高い燃料とは言え、邪魔者になってしまった」と話した。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集