フィスカー創業者が辞任〜戦略めぐり経営陣と対立

 電気自動車(EV)メーカーのフィスカー・オートモーティブ(カリフォルニア州)は13日、共同創業者のヘンリック・フィスカー会長(49)が同日付で辞任したと発表した。

 ロイター通信によると、フィスカー氏はeメールで「事業戦略をめぐる経営陣との意見の対立が理由」と説明したものの、対立の詳細は語らなかった。氏は2007年、米国がリセッション(景気後退)入りする直前に、バーニー・コーラー氏とフィスカー・オートモーティブを設立した。

 同社は高級プラグイン・ハイブリッド・スポーツカー「カルマ」(10万3000ドル〜)を発売したものの、安全問題などで供給が遅れ、エネルギー省から5億2900万ドルに上る連邦ローン保証の残り枠の利用を禁じられたために資金難となり、12年7月からは車を生産していない。

 今はちょうど、同社がプラグイン車の第2弾「アトランティック」の開発で出資者や提携先を模索している最中で、フィスカー氏の突然の辞任は業界を驚かせている。同社が出した声明では「経験を積んだ強力な経営陣がいるため、社としての戦略は変わらず、氏の退社が戦略提携や資金調達に影響を与えることはない」と強調している。

 業界調査オートパシフィックのアナリスト、デイブ・サリバン氏はフィスカー氏について「素晴らしい理想を持って始めたが、次の段階に進むことができなかった。開店休業状態が長引いており、会社を救いたいという望みを持っているなら今は退陣して専門家に復興を任せる時期だ」と話した。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る