「創造者経済」の成長でソーシャル・コマースが主流化

テッククランチ誌によると、ソーシャル・コマースがいよいよ主流化しており、「創造者経済(creator economy)」のさらなる拡大が加速している。ソーシャル・コマースは、ソーシャル・メディア・プラットフォームを消費者市場として機能させることで、販促や小売の機会をブランド群(広告主である会社ら)にもたらすデジタル消費経済の一形態だ。本稿ではその最新動向についてティックトックとショッピファイの提携インスタグラムのアプリケーション内買い物機能追加について解説する。

▽ティックトック・ショッピングを米国と英国、そしてカナダで

ティックトック(TikTok)は8月24日、カナダ拠点の電子商取引プラットフォーム大手ショッピファイ(Shopify)との提携を拡大するとともに、米国と英国、そしてカナダにおいてティックトック・ショッピングの試験版をショッピファイ顧客(小売会社)らのあいだで実験する計画を明らかにした。

短編動画投稿ソーシャル・メディア・プラットフォーム大手のティックトックは、2020年10月にショッピファイと提携し、ショッピファイのプラットフォームを使う商業者らがティックトックでの販促をショッピファイのダッシュボードから最適化できるようにする機能とサービスを立ち上げた。それと同時に、ティックトック・フォー・ビジネス・アッズ・マネージャーという小売会社向け広告サービス事業を立ち上げている。

今回の提携は、その既存関係を大幅に拡充するものだ。

▽ティックトックの事業者向けプロファイルと商品カタログを同期可能に

拡充された提携では、ティックトック・フォー・ビジネスを利用するショッピファイ商業者らが新たな「ショッピング」タブをティックトックの企業(法人向け、商業者向け、事業主向け)プロファイルに追加して自社商品カタログと同期できるようにすることで、プロファイルをオンライン・ミニ商店として機能させるようにする。その結果、ティックトックは、アプリケーション内での商品発見と買い物を初めて可能にする。

ティックトック・ショッピングを試験運用するショッピファイ商業者らは、ティックトック短編動画を販促道具として活用して商品を紹介し、企業プロファイルに誘導してオンライン・ミニ商店で購入可能にすることで販売増を図ることが可能となる。

化粧品ブランドのカイリー・コスメティックス(Kylie Cosmetics)を展開するカイリー・ジェナー氏は、その新サービスを早速活用するブランドの一つだ。

商業者らは、ショッピファイがティックトックに開設しているチャンネルにアクセスし、ティックトック・ショッピングの試験版への参加希望を申請する。

▽動画のなかの商品とそのリンクを統合し購入可能に

ティックトックとショッピファイの提携ではまた、ショッピファイ商業者らが、自身のティックトック動画群のなかで紹介する商品のタグ付けに使える商品リンク群を統合できるようにする。

ティックトック利用者らはその結果、ティックトックで商品紹介するショッピファイ商業者らの動画のなかの商品をクリックするだけで当該ブランド会社のページに誘導されて簡単に買い物できるようになる。

ショッピファイによると、ティックトックを販促や小売の手段として使いたいという商業者らは昨今急増中だ。ショッピファイのソーシャル・コマース・チャンネル群にわたるインストール件数は2020年2月からの1年間に76%も増えた、と同社は報告した。

▽新たな広告機能をショップ・タブに追加

フェイスブック(Facebook)傘下のインスタグラム(Instagram)は、フェイスブックの電子商取引強化戦略の一環として、ショップス(Shops)という機能を2020年に導入した。ショップスは、アプリケーションの下部中央に表示されるナヴィゲーション・バーで、新たな写真を投稿するのに従来のボタンより使いやすい。

インスタグラムは、そのショップスを使った新機能の試験を2021年8月に入ってから本格化させ、モバイル買い物を実行できるようにする新たな広告機能を世界規模でショップ・タブに追加する計画を8月24日に明らかにした。

同社はこれまで、アウェイやドニー・デイヴィー、ブー・オウといった広告主らの協力を得てショップス広告を試験してきた。

ショップスに広告を出したい広告会社らは広告枠を競売で落札する。ショップス広告にはデスクトップ版がないため、インスタグラムのモバイル版だけに表示される。

▽希望リストへの保存や友人への送信、不適切報告の機能も

ショップスで使えるようになるショップ・タブは、インスタグラムが自身のソーシャル・メディア・プラットフォームをモバイル・ソーシャル・コマースのいちばとして機能させることで、既存の買い物機能リールズ(Reels)を補完する。

ショップスは現在、2列の四角いタイル状で表示される。追加機能の広告は、それらのタイルの一つとして表示されるが、「スポンサード(Sponsored)」という注釈が画像の下部左端につけられる。

広告タイルがクリックされると、プロダクト・ディテイルズ(Product Details)というページが開き、当該商品に関する詳細情報や追加画像、同一ブランドのほかの商品群が表示される。

利用者らは、気に入った商品を希望リストに保存できるほか、友人に送信することもできる。広告内容が不適切の場合には、当該タイルを押し続ければ、隠すか報告するかの選択肢が表示される。

▽創造者経済の拡大を背景に急成長中

ソーシャル・メディアのアプリケーション内買い物機能の構築や追加は昨今、注目される新たな販路として活発化している。同市場は現在、ソーシャル・メディア・プラットフォームをはじめ、ショッピファイのようなモバイル・コマース・プラットフォーム会社や商品紹介動画コンテントの創造者らによって構成される生態系を形成し始めている。

ユーチューブも最近、利用者が再生中の動画から商品を直接購入できるようにする機能の試験を始めたばかりだ。

創造者経済(creator economy)と呼ばれるコンテント創造活動および生態系は、ソーシャル・メディアや娯楽プラットフォームで急成長中の分野だ、とショッピファイのハーリー・フィンクルスティーン社長は述べた。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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