アマゾン(Amazon)による小売業界の革新がまた一つ実現する。同社は9月8日、「ジャスト・ウォーク・アウト(Just Walk Out)」(ただ出るだけ)技術を、傘下のグローサリー・チェーン大手ホール・フーズ(Whole Foods)の新たな支店群に実装する計画を明らかにした。
ジャスト・ウォーク・アウトは、アマゾンが開発した自動決済システムだ。同技術は、同社が数年前に開店した無人コンビニエンス・ストアー「アマゾン・ゴー(Go)」(在庫管理担当者や技術支援係員らは店内にいる)によって実在小売店に初めて導入された。
消費者がスマートフォンをかざすと扉が開き、来店客が店から持ち出す商品を店内の機械視認カメラ群や検知器群、人工知能によって認識および特定し、購入者が店外に出ると、利用者が自身のアマゾン口座にあらかじめ登録したクレジット・カードまたはデビット・カードに代金が自動請求され決済が完了するしくみだ。あるいは、アマゾンが開発した手のひら認証システム「アマゾン・ワン(Amazon One)」の端末に手のひらをかざすことで支払いを済ませることも可能だ。
テッククランチ誌によると、同技術が導入されるホール・フーズ支店は、ワシントンDCとカリフォルニア州シャーマン・オークスに2022年に開店する予定だ。それらの支店に実装される自動決済システムの場合、来店客が専用アプリケーションをスキャンし、アマゾン口座に登録したデビット・カードを挿入するかアマゾン・ワンの端末に手のひらをかざすことで支払いを自動化できる。
複数の労働組合は、アマゾンのキャッシャーレス技術が雇用機会を奪うと訴えているが、同社は、それらの支店が「同等規模の既存店舗群とくらべて同等人数を雇う見通しだ」と反論している。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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