テキサス州フォート・ワース市はこのほど、ビットコインを採掘する米国内初の自治体となった。同市のマティー・パーカー市長はそれにともなって、小さな暗号通貨採掘場を市役所内に設置する工事を監督した。
CNBCによると、フォート・ワース市役所の暗号通貨採掘場(室)には、3台のビットメイン・アントマイナーS9(Bitmain Antminer S9)という採掘機が、空調管理された情報技術棟に設置され、これから年中無休で稼働する。それらの採掘機は、セキュリティー・リスクを最小限に抑えるためにプライベート通信網でホストされる。
同市の採掘方式には、プルーフ・オブ・ワーク(proof-of-work)モデルが採用される。世界中の採掘者らが高性能のコンピューターを使って、デジタル暗号通貨決済を検証しながらビットコインを採掘する。その過程には、専門仕様の機器と専門技能、そして大量の電力が必要だ。そのため、フォート・ワースの試験的事業では小規模で始動する。
市の試算によると、3台の採掘機は、家庭用掃除機が必要とする同等の量のエネルギーをそれぞれ消費する。市長は、それら3台の採掘機が大きな利益を生むとは考えていないが、同事業に必要な電気代は、採掘されたビットコインの価値で簡単に相殺される見通しだ。
2021年に市長に当選したパーカー氏は、同市の財務にビットコイン収入を加えるだけでなく、ビットコイン採掘に米国内で初めて取り組む自治体としてフォート・ワースの地位向上に寄与する、と話した。
同市は、同事業にあたってテキサス・ブロックチェーン評議会(Texas BlockchainCouncil)やルクソール・テクノロジーズ(Luxor Technologies)と協力した。前者は、1台約600ドルする採掘機を同市に寄付し、後者は、世界中に散らばる個々の採掘者たちを数千人単位の採掘者たちとたばねて暗号通貨を採掘し、それによってビットコインを稼げるようにするプラットフォームを提供する。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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